ペリカンM1000に蒔絵を施して販売された製品には、『草木兎虫文四季揃』四種、『源氏物語』二種(既に紹介済み)と、今回の『六瓢』、次回の『宝尽し』、そして最終回にはセットではなく一種のみで販売された『龍と鳳凰』である。
つまりペリカンから販売された蒔絵のM1000は4本セット・2本セット・今回、次回の2本セットと1本のみの販売で九種の絵柄があった。
では、今回の『六瓢』をご覧ください。







【 作者の言葉 】
吉祥文模様をテーマとし、図案を考えました。
ひょうたんが六っつで六瓢=無病(病気がないとか病気にならない)
は無病息災と昔からお守りや縁起が良いよされ、これまでにも棗など何度か描いたことがあり、図案的には描きやすかった。
バランスよく瓢箪をちらして、瓢箪一つ一つの蒔絵技法を変え、描きました。
1955年(私が10才の時、50年前である)から69年まで造られた、やはりモンブランの四色ペンシル No.62をご覧いただく。
No.62は、スターリングシルバー(純度935/1000)で、しかも12角。
同じスターリングシルバーでも丸型No.61も造られていたが、私は持っていない。
どちらかと言えば12角の方が好きなのだが、ご賛同いただけるだろうか。
何で四色ペンシルなど造ったのだろうか。
使う人、買う人が居ると思って造ったのだろうか。
何本あったのだろうか。
何人の人達が買われたのだろうか。
単純な疑問が次から次へと湧いてくる。
会社に財務的な余裕があったのだろうか。
それとも、少数をも大切に多くの種類を造ろうとする人々の情熱の成せる技だったのだろうか。
当時のモンブラン、そしてそこに身を置いた人々に心から敬意を表したい。
この四色ペンシルは、レバーを一杯に下げ、先端を回転させることにより芯を出すメカニズムである。
この作業がまた楽しい。
一般的には簡単ではなく、面倒くさい。
その面倒くささが楽しいのである。
だから、“変人”と賞賛していただけるのだろうと、私は思っている。
絶滅種たる“世の変人よ”共に生きてゆこうではないか。
では、画像をご覧いただこう。




ただ、残念なことがある。
それは、芯を入手することが難しい。
更に、濃い柔らかい芯は皆無である。
黒も赤も、青も緑も、濃い芯があれば、「ヌラヌラ」と書けるのだが。残念!!
【 製品仕様 】
軸・クリップ: スターリングシルバー
芯出し方式: サイドレバー式
芯出し方式: サイドレバーを一杯に押し下げて、
メカニズム先端を回転させる。
形状: 12角
太さ: 9.5mm
長さ: 125.5mm
重さ: 27g
■ 製造年代: 1955~1969年
■ 最終販売価格: 6,500円 (1968年8月)
では、お楽しみください。







【 作者の言葉 】
キャップには源氏香と鬘草(かずらそう)を組み合わせて描き、玉鬘はカズラ草の美称で、巻名にちなんで取り合わせ2本の万年筆それぞれ天冠にも蒔絵し、一体感を持たせました。
早速画像をご覧いただこう。



【 製品仕様 】
軸・クリップ: 金張り
芯出し方式: サイドレバー式
芯交換: サイドレバーを一杯に押し下げて、芯を引き抜き、
交換芯を差し込む。
太さ: 8.5mm
長さ: 133.5mm
重さ: 24g
■ 製造年代: 1960~1969年
■ 最終販売価格: 7,000円 (1974年1月)
では、お楽しみください。






【 作者の言葉 】
源氏車と葵をキャップに描き、「葵の巻」の車争いを想記させますが、文様にすることで優雅なイメージになるよう仕上げました。
葵の上と一緒の並べると向かい合わせになり、人それぞれに物語性を感じて頂ければと思います。
この製造年代は、これまでも紹介してきたが、私の好きな二桁万年筆・ボールペン・ペンシルと全く同じ年代である。
一方、既に紹介した四色ボールペン、これから紹介する予定の四色ペンシルは、1956年から、1955年からと、5年程早く造り始められた。
ということは、四色ボールペンの評価が高かった為に、三色・二色と拡げていったということなのであろう。
さて、今週は、二色ボールペン スターリングシルバー軸のNo.66である。
早速画像をご覧いただこう。




【 製品仕様 】
軸・クリップ: スターリングシルバー
芯出し方式: サイドレバー式
芯交換: サイドレバーを一杯に押し下げて、芯を引き抜き、
交換芯を差し込む。
太さ: 8.5mm
長さ: 133.5mm
重さ: 24g
■ 製造年代: 1960~1969年
■ 最終販売価格: 7,000円 (1974年1月)
お楽しみください。






【 作者の言葉 】
冬の地は梨地にし、雪の中をウサギが飛び跳ねているイメージです。雪輪も一つ一つ形と表現方を変え、卵殻も使ってみました。
この4セットに共通するペン先、ペリカンマークを蒔絵することは非常に苦労しました。
そして天ビスにも違和感が残らないようそれぞれ地に合わせた蒔絵をペリカンと共に描きました。

ペリカン社から、世界の史跡シリーズ 第二弾 フランス 『コンコルド』が発売される。
薄いブルーと、グレ-を基調にしたこのモデル、お気に召してくださるだろうか。
私が写した画像を、ご覧ください。


【 価格・販売予定数量 】
M620 万年筆 ¥42,000(本体価格) 500本
R620 ローラーボール ¥25,000(本体価格) 100本
K620 ボールペン ¥23,000(本体価格) 300本
* 前作同様、ワンタイムエディション(1回限りの生産)です
【 仕様 】
キャップ・胴軸: アクリルレジン
クリップ: ジャーマンシルバー
ペン先: プラチナ装飾18金 (F・M・B)
仕様ケース: 専用ギフトケース
発売時期: 平成17年9月下旬
お楽しみください。







【 作者の言葉 】
秋は朱金の地にしようとすぐに決まり、私のイメージでは「朱金=秋」となりました。
紅葉や銀杏など落ち葉の中に、名残惜しそうに鈴虫が鳴いているという取り合わせです。
鈴虫のアクセントに羽の部分は貝を貼り、その後毛打ちで羽すじを入れました。
先週のスターリングシルバー軸(1000分の935の純度)No.56と同じ形状の金張り軸がNo.57である。
モンブラン製品で三角形の軸は、このシリーズだけの筈で、もの凄く珍しいと、私は思っている。
では、画像を。




【 製品仕様 】
軸・クリップ: 金張り
芯出し方式: サイドレバー式
芯交換: サイドレバーを一杯に押し下げて、芯を引き抜き、
交換芯を差し込む。
太さ: 9.5mm
長さ: 133mm
重さ: 24g
■ 製造年代: 1960~1969年
■ 最終販売価格: 8,000円 (1974年1月)