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フルハルター*心温まるモノ

インク研究会と便箋

インク研究会立ち上げに当たって申し上げましたが、万年筆・紙・インクは不離一体である。
研究会の方々は、多くのインクを買われ、試し、フルハルターのサイトの離れで皆さんに報告してきました。皆さんが集まられた時は、インクとともに紙の話題が多かったと思います。

ある時に入手困難なあるところでしか買えない和紙を。またある時には和紙で造られた高価な数種の葉書を。高価な和紙かと思えば、通常の紙よりもはるかに安く、万年筆と絶妙の相性の紙が持ち込まれることもある。それもメンバーの分まで用意してくるのである。いずれにしてもそれぞれ忙しい仕事をお持ちの方々がインク・紙を探し、自らの財布から散財し…それもメンバーの分まで。
「何なんだ。この仲間は。」と思わされる。
一方で、今のこの時代にこんな仲間に恵まれたこの方達は“真の幸せ”を感じている人達なのだと思う。

さて、今回の便箋である。
マーマレードさんの会社で使っている数種の紙をメンバー全員に渡し、それぞれがテストをし、集まっては何がいいのかディスカッションを繰り返してきた。最終的には2種が候補となり、今回の紙に決定された。次は用紙の大きさ・罫線を入れるかどうか、罫線の幅は?その色は?線は点線か…。
何しろ自己が確立されている方ばかり、当たり前だがなかなか決まる筈がない。ただ、この仲間に入れて本当に良かったと思うのは、最後はそれぞれが自然に引き際を心得ていて決着するのである。

思いが強い、「こだわりの物」については譲れない、譲らないが世の常である。何故この方達は引き際を心得ているのだろうか。自然にそんな人生を歩まれて来た方々なのだろう。だから互いが自然に本能的に引き合ったのだろう。その仲間の一員でいられることの幸せを感じている。インク研究会の方々のみならず、”ゼクス・フェーダー・クラブ”の方々、更に他のお客様も多くの穏やかな方々に恵まれている。

また話がそれてしまった。悪い癖である。この便箋を造られたマーマレードさん、本当に感謝しています。今回の便箋が最高でないかもしれませんが、同じ紙と思っていたモノが時代とともに、我々には判らないところで変化しています。それは紙だけではなく、あらゆるモノに言えることかも知れません。おそらく裏抜けした今回の紙にきっと心を痛めたことと思います。でも、まだ先がある楽しみも出来たではありませんか。また難産を楽しみましょう。皆で。

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by fullhalter | 2004-12-03 14:18 | インク研究会