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フルハルター*心温まるモノ

Sailor Jentle Inkとブレンド (碧)

  前回の碧のページではPrivate Reserveのインクについてご紹介しましたが、 今回はSailorによるインクのブレンドをご紹介します。

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 Sailorは“Jentle ink”という新しいインクを昨年出した。ブラック、グレー、レッドブラウン、ブルー、ブルーブラック、イエローオレンジ、グリーン、ブラウンの合計8色で、仲間内ではやさしいインクだと評判があった。イ ンク自体がさらりとしていて、(明るさとしっとり感が)Conway Stewartのインクに似ている。何よりも黄色に近い色があるところがいい。色を作成するには必ず色の3原色が必要になるが、インクメーカーで黄色系の色を出しているメーカーは少ない。だから黄色系統の色があるメーカーのインクは非常に貴重なのである。
しかし、最大の欠点はボトルである。横に広い扁平なインク瓶は満タンでも、 瓶の底に万年筆のペン先がぶつかってしまいそうで入れにくい。なんでこんな 形にしたのか理解に苦しむ。ちょっとインクが減ったら、非常に吸引しづらい。50mlで630円(消費税込み)と値段は格安なので、これでボトルのデザインがよければ何にも言うことはないのに........。

 さて、Sailorのこのインクを使用してブレンドインクを販売しているのが蒲田ACTである。8色の相対インクブレンド表“セーラージェントルインク配合サンプル”を作成して店先に置いてある。感激である。インクの混ぜ合わせはタブーと言われていた時代が遠い過去のように思えてくるから不思議である。まずは蒲田ACTに行ってインク配合サンプルを見て、あなたの好きな色を探そう。気に入った色がなければ、印刷用のカラーチャートを買ってきて、どんな色をどうやってまぜれば自分の好きな色ができるかを考えてそれに相当するインクを買ってきて試してはいかが?運がよければ自分だけのインクブレンドに成功するかも?(運が悪けりゃ......)。ただしインクの場合は色見本帖やカ ラーチャートのように必ずしもブレンド結果が理論的結果を出すことはめったにない。だいたい暗い色に引っ張られますのでご注意。特に黒と赤を使用するときは細心の配慮がいる。ちょっと入れただけで大きく色合いが変わってしまうことがある。1mlずつ慎重に混ぜて、1ml混ぜたら、1日置いて変化を見る。 また、1ml混ぜたら、1日置いて変化を見る。この繰り返しという、忍耐の作業です。それを楽しいと思える人だけが自分だけのブレンドインクに挑戦できる。

 さて、逆にうれしいことは、蒲田ACTではインクの切り売り?というか、瓶を もっていけばインクだけを売ってくれるのだ。なんとお得なシステムだろう。 基本的にはSailorの瓶(50ml)を持っていけば、2色のインクを混ぜ500円で売ってくれる(消費税は含まず)。ただし色の比率は1対1のみが条件となる。 たとえばブルーとグリーンのブレンドが欲しいと言うと50mlの瓶だからそれぞれ25mlずつを混ぜてくれる。要するに10mlが100円という計算になる。ちなみに、私がConway Stewart(30ml)の瓶を持って行ったときは30mlを300円で売 ってくれた。今現在はどのようなシステムなっているかはわからないで、詳しいことは蒲田ACTに行って店員さんに聞いてみよう(レッツゴー)。とにかく 8色しかないインクなのに36色まで楽しめるのです。

 それでは1つサンプルをご紹介しよう。蒲田ACTには我がインク研究会の“無色庵”どのが大好きな“イエローグリーン”という色がある。黄緑色よりさらに黄色に近いグリーンで(写真参考)、これは他の店で売っていないところをみると、蒲田ACTだけで売っているブレンドインクなのかもしれない(?)。 Green狂の私よりも早くこの色を射止めた彼に嫉妬を感じた。

 さて、最後に私がブレンドしたSailorのJentle inkの例をご紹介いたします。 碧のページですので当然Greenです。名前を“お茶葉グリーン”と命名いたしました(別名Green-Black)。月を見つつ、時間の経過を楽しみながら、お茶葉の色をイメージして創った色です。これはブルーを15mlとブラウンを15mlとグリーンを7ml混ぜ、1/4を蒸発させたものです。

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* インクを混ぜることにつきましてはいろいろな条件によって変わってまいりますので、もし実行される場合は、あくまでもご自分の責任の範囲で行ってください。万年筆を痛めましても責任は追うことはできませんのであしからずご了解下さい。
by fullhalter | 2004-07-02 10:23 | インク研究会