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フルハルター*心温まるモノ

密かな夜の楽しみ 3(Kings Blue)

 ブルーブラックが、やはり馴染みが多く使用されている方も多いと思います。しかし、フローが悪い!万年筆を傷める理由で使いたいけど使わないインクかも?知れませんね。神話となっている?書き出しはブルーで時間が経つとブラックへ変色する不思議なインクでもあると思います。そこで、KingsBlue独自の判断で、ブルーブラックの色合いについてお付き合いをお願いしたいと思います。


新旧のブルーブラックインクをご覧ください。
最初(①~③)の写真はペリカンのブルーブラックです。

①は現行品で落ち着いた鉄紺色とでも言いましょうか?

②③は70年代くらいのペリカンブルーブラックで、インク瓶のラベルは一緒ですが、箱が若干違います。そして、明るい藍色(藍染めでいえば、一~二回空気に触れさせた色合い)で、好みは分かれるブルーブラックの色合いと思います。箱の蓋に描いてある、万年筆の絵が違うのですが、色合いも若干違う感じが致します。

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④はモンブランの現行品ブルーブラックですが、2年前に購入し半分くらい使用した為か、若干色合いが薄くなっている感じがします。

⑤はインク瓶のラベルに「149」と表示されている、ブルーブラックです。これが、現行品の色合いと思っています。

⑥は20年~30年前のモンブランブルーブラックですが、瓶の中で酸化したのか、グリーン色がかった色合いに変化して不思議?そして奥行きがあるブルーブラックの色合いになっているインクですね。

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 続いては、日本のブルーブラックインクです。

①と②はパイロットのブルーブラックで、現行品は藍色らしい色合いですが!古いインクは、それこそ懐かしいブルーブラックの色合いと思います。

③と④は丸善のアテナインキ。現行品は、多分プラチナ社のインクと思いますが、結構、良いブルーだと感じました(個人的にですよ)一方、古いアテナインクは、瓶の雰囲気は素敵だけれども、変色して?ブルーグレーになっています。しかし、味わいの深い色合いとも思えます。

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 さて、使い勝手はというと、ドイツのブルーブラックは、インクフローが悪いことと、書いている途中にペン先が乾く感じでインクが出なくなる場合が多く見受けられました。日本の特に、パイロットのブルーブラックはインクフローも良く、書いていてストレスを感じさせないのは、すばらしいと思います。

 私のお勧めは、やはりパイロットの現行品であるブルーブラックです。耐水性もあり、インクフローも良く手に入りやすいので、宛名書きには最適と思います。(個人差があるので、断言できないですが)

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 しかし、パイロットの現行品を一ヵ月使用して何日もかけ水洗いを繰り返しても、ペン先の裏にはインクが固まって落ちない状態になっています。

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 紙に定着して、耐水性があるインクは、万年筆の中でも同じ状態になるということと思います。でも、インクフローが悪くなるわけでもないのでブルーブラックのインクを使用する万年筆を決めて、定期的に水洗いをすれば、問題なく使用可能と思われます。しかし、ブルーブラックのインクを入れ、そのまま乾燥させてしまうとペン芯にこびり付き、泥状の付着物がペン芯の機能を低下させるので大切な万年筆には、使わないのが賢明でしょうね。
by fullhalter | 2004-06-18 09:54 | インク研究会