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フルハルター*心温まるモノ

密かな夜の楽しみ 1(Kings Blue)

 万年筆で字を書き始め、最初は濃いインクの色から始まり、書く進めるにしたがって段々インクの色合いが薄くなった経験は多くの方が経験されていることと思います。それは、新品のジーンズが洗濯する度に色あせていくのと、同じ感じがするのです。
 ああ~この色合いで止まってくれれば・・・と思ったことが数多くありました。

 そこで、インクの色合いを気に入った濃さで何とかならないか?と思い悩んだ末にインクを濃縮するという方法があったのです。

 最初は、ペリカンのブラウンを試しました。インク瓶の蓋をとり、口をガーゼで包み待つこと2ヶ月!毎日「今日はどれくらい濃縮したか?」と見るのが楽しくもあり、じれったくもあり!やっとインクが瓶の半分くらいまで蒸発したところでいよいよ色合いを楽しむ・・・・ガーゼを外し・・「あれ、取れない」そうです。瓶の口についていたインクが糊となり、ガーゼが外れない!

 力まかせに外したとたん、瓶ごと机の上から床へと旅行して仕舞い、ズボン・絨毯がインクまみれに。それも、夜中の1時!

 そんな、出来事でめげてはいけません!

 次なる手段として、料理用の計量カップ(200cc用)を買い求め、インクを入れてガーゼにて蓋をしました。今度は濃縮期間も短縮し、ガーゼも簡単に外せます。モンブランのローヤルブルーを2瓶用意して、半分になるまで、蒸発させました。

 さて、結果の色合いは・・・

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 濃縮していない「ノーマル」インクと比べてみると色合いの変化は 少ないですが、濃さは満足できる結果になりました。 日常使用していますが、インクフローの問題もないし、万年筆の 軸やペン芯に影響もありません。 ただ、高価なインクになることは間違いありません。
by fullhalter | 2004-05-21 13:04 | インク研究会