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フルハルター*心温まるモノ

こだわりのGreen (碧 )

 自分だけのインクが欲しい!  
と言ってインクで遊んでいる。皆さんは以下に書いてあるようなことは絶対に真似をしてはいけません。万年筆を痛める可能性があります。実際私は数本の万年筆を痛めました。それでも挑戦したい、いや話だけ聞きたいという、怖 いもの見たさのあなたのためにインク遊びをご紹介いたしましょう。

 自分だけのインクが欲しい。誰も持っていないインク。個性的で、素敵なイ ンク.....。 フェンテの会の中谷でべそさんの手紙は、表書きを見ただけで誰からきたのかすぐにわかる。あれはすばらしい。しかし“Montblancのボル ドー”はみんなが使っている。わたしも大好きな色だ。だけどそれでは個性がない。二番煎じはいやだ。そんなとき、フルハルターですんばらしいGreenと 出会った。なんと言おうか?モスグリーン?(下記の写真参考)。森山さんご自慢のグリーンである。

こだわりのGreen (碧 )_e0200879_12232566.jpg


 Greenに目のない私は飛びついた。
 「このインク下さい」
 「(森山さん)私が使っているグリーンインクは万年筆用ではないものですので、個人用としています。また非常に癖があり、取り扱いが難しいため、販売はしておりません」
 最高のインクに出会えたと思ったが、人生そんなに甘くはなかった。
 そう!そして、このとき私は、決定的にGreenに取り憑かれた。

 そこで、森山さんとインクを混ぜる話になった。実は何にも知らずに、過去既に私はインクを混ぜて、某万年筆店のご主人に、注意されていたのです。
 「(某万年筆店ご主人)万年筆は一度インクを入れたらできる限りそのイン クを変えないほうがいいんだ。どうやって洗っても、ペン芯に付いた色は完全には落ちないからね。また、インクなんか混ぜて万年筆が壊れたらメーカーは保証してくれないよ」(そう、そのとおり何本か痛めました)。そして、この とき以来、インク混合はタブーだと思っていたのです。

 さて森山さんとの会話に戻りますと、
 「(私)インクを混ぜることができれば自分だけの色ができるんですけどね~」
 「(森山さん)多少のリスクを覚悟できるのなら混ぜてみれば? 染料系のインクで、同じメーカーのものなら、混ぜても大丈夫なインクが結構あると思 うけど」
 「(私)................(絶句)」
 「(私の心の中)え~混ぜても大丈夫なの?タブーじゃないの????」
 ここで人生またまた代わりました。取りあえず東急ハンズに走り、三角フラ スコ、ビーカー、リトマス試験紙、コルク、ガーゼ等々インクを混ぜるのに、必要そうなものをかき集め、家に走った。
 そして、思った。大好きなGreenを創ろう。自分だけの色を!
 下記に半年間の苦労の末に、生まれたGreenのインクをご紹介します。

こだわりのGreen (碧 )_e0200879_1224882.jpg


 これはConway Stewart Greenを40cc、Conway Stewart Orengeを35cc、Conway Stewart Blackを7ccを混ぜ、4週間熟成させ1/3を蒸発させたものです。

 さて、いかがでしたでしょうか?
 あなたはどんな色が好きですか? 自分だけの色を創りませんか? インク混合という遊びに取り憑かれてみませんか? 万年筆を痛める可能性はありますが、一度やりだしたら止められないのです。

 *インクを混ぜることにつきましてはいろいろな条件によって変わってまいりますので、もし実行される場合は、あくまでもご自分の責任の範囲で行ってください。万年筆を痛めましても責任は追うことはできませんのであしからず ご了解下さい。
by fullhalter | 2004-04-23 12:21 | インク研究会