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フルハルター*心温まるモノ

フルハルター二十周年記念小松製作鞄

フルハルターの20周年記念として革小物及び鞄を考え、ケーズファクトリーさん、Fugeeさんと一緒に鞄を造っておられた小松さんにお願いしたことは、既に述べている。
  フルハルター20周年記念 クレマチス製鞄 (仮縫い)
その時はまだケーズファクトリーさんからのご提案がなかったのだが、それ以後平出さんが店に来られ、いくつかの提案をされ、現在試作されていることと思う。

さて、小松さんに造っていただくことになった鞄だが、途中
「8月中に1号を造ると約束したんですが、無理そうなんです」と連絡が入った。私は、 
「急ぐことではないのでいつでもかまいません」と言った。

だが、さすが小松さん、8月31日に
「出来上がりました!」という電話をいただいたのだ。
直ぐにと思ったのだが、残念なことに9月1日、2日の両日突然雨の予報。
絶対に雨で濡らしたくないので諦めた。
次の土、日の8日、9日も同じような予報になり、7日お店に伺った。
(どんな出来だろうか)
(裏の緑はどんな色合いなのだろうか)
(私が20周年の為に描いたマークどんな出来だろうか)
途中あれやこれや思いを巡らしながら小松さんの店へ向かった。
小松さんに対する絶対の信頼と、だがその中にもほんの少しの不安が入り混じった何とも落ち着かない心、それらを抱えて店に着いた。
だがそんな不安はテーブルに置かれた鞄を見た途端、一瞬のうちに吹き飛んでしまった。

ここで小松さんからいただいたコメントを紹介させていただきます。

「今回20周年記念バッグを製作させて頂きまして大変光栄に思っております。 鞄職人の小松直幸です。   
森山さん、フルハルター開店20周年おめでとうございます! (まだ少し早いですね。)   
これも森山さんのお人柄・技術力があってからこそだと思います。   
私も今後どのような事があっても私の親方の「手を抜くな!抜けば楽を覚えて上がっていけなくなる。」の言葉を念頭に、向上心をもって仕事を継続して20周年を迎えられる事を目標にして頑張っていきたいと思います。   
今回の鞄製作について一筆とらせて頂きます。      
まずデザインですが、森山さんのご要望として口枠である事・サイズ・好みの革のお話以外大部分がお任せでしたので 森山さんをイメージしながら奇抜ではないけれども、ちょっと他では無くて作ってみたいデザインにさせて頂きました。   
口枠の仕立てと箱物の仕立てをバランスを考えて合わせたデザインになります。   
2種類の革の色・質感のバランスも良かったと思っております。   
特に裏革のグリーンを森山さんが非常に気に入って頂けたのが印象的で嬉しかったです。   
(打ち合わせの時に裏革の事を忘れていて電話でのやり取りで決めさせて頂きました。すみませんでした...。)   
色々と書いてしまいましたがフルハルターさんに行って実物を見て頂きたいと思います。   
もし何か心に残るようなものを感じ取って頂けましたら私にとっては一番幸せな事だと思っております。   
楽しい製作をさせて頂きましてありがとうございました!   小松 直幸」

小松さんが言われる通り、私からの要望は口枠で大体こんな大きさでということ、あとはカジュアル的なものということだけだった。
元来変わり者の私は人と似通ったものがダメで、
「世の中にあまりない形でオリジナリティーが豊かなモノ」を頭に描き、願っていたが、希望通りに出来上がった。小松さんから、
「裏はワイン系がいいですか?グリーン系がいいですか?」と訊かれた時は、
「表がワインで裏がグリーン、私の理想じゃないですか。」と答えたものの、色と言うのは無限にあると言っても過言ではない。
だからどんな色調のグリーンなのか、内心ハラハラしていたのだが、凄く気に入ったグリーンを使ってくださった。それは本当に有難かった。

では、そんないきさつがあった「フルハルター二十周年記念小松製作鞄」、ご覧ください。

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◆ 仕様
表皮革: イタリア製 「アリゾナ」 バーガンディ 成牛 ショルダー シュリンク(オイル多い)
取っ手、底、その他: イギリス 「ブライドル」 赤茶(小松さんが蝋分を拭きとられたかと思ったが、イギリスのブライドルの多くは蝋分を拭きとられて入荷するとのこと)
裏皮革: 最終仕上げ日本 キッド(子ヤギ)
金具: イギリス製

※ 次回は「フルハルター二十周年記念小松製作鞄」その2になります。
by fullhalter | 2012-09-14 11:14 | フルハルター20周年記念