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フルハルター*心温まるモノ

剣先倶楽部 vol.3

「剣先倶楽部」と言ってもよく判らない方が多いのでは。
そこで今週は、その生い立ちを少しだけ説明致します。

剣先倶楽部オーナー 樫本桂三さん(Dr.K.K)とはじめてお会いしたのは2000年7月だった。
店に訪ねてくださった用件は、あの長原宣義さん作「ほてい竹」の万年筆を求めたが、筆記角度が合っていないので「調整をして欲しい」ということだった。
当時、長原さんには大変お世話になっており、また私を応援してくださってもいた。
そんな長原さんが研ぎ出したポイントを研ぎ直すというご依頼に、私の心は重かった。
ただ、樫本さんの筆記角度では充分に機能しないことは確かだった。
覚悟を決めて、その場で長原さんに研ぎ直しの了解をいただく為に電話をした。
長原さんも快く了解してくださった。
それからのお付き合いである。

樫本さんは、その当時よく店を訪ねてくれていた。
その度に私などには判らない超高級菓子を土産に持って来られ、いつも恐縮していた。
ある時
「森山さんは甘いもの食べるの?」と聞かれたので
「いえ、私自身は甘いものは苦手なのですが、こんな高級なもの買えないので家族から喜ばれ、私の株が上がりましたよ。」
「じゃ~、何が好きなの?」と尋ねられ、
「タコとかイカが好きで、以前飲み屋で一人でケンサキスルメをおかわりして皆に笑われました。昔はスルメイカのスルメが味があって好きだったんですけど、今はケンサキスルメですかね…。ケンサキスルメの方が外れがないんですよね。」
それ以来「ケンサキスルメ」仲間として、五島のケンサキスルメがお土産として店に連れて来られるようになった。

ある時、樫本さんからのメールに「剣先同好会」本部長、支部長とあった。
「あっ、同好会になったんだ。同じものを好む人の会。いいよなぁ~。万年筆とケンサキスルメ…万年筆は書けば書く程、スルメは噛めば噛むほど、ともに味が出る、絶妙な組み合わせだ。」
人知れず、樫本さんと俺だけの同好会、一人悦に入っていた。
フルハルターには、北海道支部長がいて、これも二人だけの人知れずの会である。
これで二組目だ。
何となくだが、嬉しく、心豊かな思いであった。

それからどの位経っただろうか・・半年、一年?
記憶は定かではないが、ある時あの長原宣義さんと私が樫本さんに招待された。
横浜のうかい亭に。
貧乏人の私は知らなかったが、有名な店らしい。
そこでステーキをいただいたのだが、店の人から山葵で食べるとと、勧められた。
(ステーキを山葵で?)と思いながらいただいたのだが、これが絶妙で旨かった。
その時に同好会から倶楽部に昇格した。
長原宣義さんが入って同好会では・・と私も思う。
これが「剣先倶楽部」の始まりである。
この倶楽部については次回に続きを、と思っています。

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by fullhalter | 2009-07-03 11:16 | 剣先倶楽部