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フルハルター*心温まるモノ

ブランデー

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今年はいろいろあった。私にとって。
悪いことではない。良いことばかりだ。

今年の更新もあと3回。
早い、本当に早い。
2004年も無事に過ごせそうである。
年を越すのに相応しい酒で2回遊んでみることにした。

11月25日更新の『宝積(ほうしゃく)』で触れた仲間達の慶太さんが他の仲間に
「コニャックと言うけれど、アルマニックがいいよ。」と言っておられるのが聞こえた。
私はその知識を持たない。
しばらくして、9月17日の更新<モンブランNo.72>で書いた先輩からいただいたアルマニックのことを思い出した。
この先輩は、ブランデー・ウイスキー・ワイン、何でも詳しい。
そして信じられないのが、リュックに団体でそれらを運んで、私にくれる人。
人にあげることに喜びを感じる方である。
そのアルマニックの外箱にも、ラベルにも”1927年”とある。
何のことだか私には判らなかった。
まさか1927年に瓶詰めされたとも思えない。
コニャックに比べアルマニックは安いと思い込んでいた私は、そのアルマニックを慶太さんに見ていただき、私の謎を解いてもらうことにした。

「こりゃ~凄いよ。森山さん。1927年に樽詰めされ1987年に瓶詰めされたアルマニックだよ。」
「何ですか?それ。1927年から1987年まで……。60年間も樽でねかされ、熟成させた。信じられない……。」
「いや~アルマニックにはあるんだよ。」
驚いた。信じられない。
何なんだ。フランス人て奴等は。
― 俺はあと半年で赤いチャンチャンコの60だ。この俺よりも長く樽の中で熟成させた。樽詰めした奴は樽出しの時は死んでんじゃね~かよ。20歳の奴だって80歳だぞ。 ―
頭が混乱した。整理がつかない。
後で調べてくれたら、1600年代から続くシャトーで造られたという。
フランスの凄さが少しだけ判ったような気がする。1927年樽詰め、1987年樽出し、瓶詰め、そして2004年。
樽の中で60年。瓶の中で17年。77歳である。
私の友人で77歳の人が居れば一緒に開けたい。一緒に飲みたい。でも思い当たる人は居ない。こいつを何時空気に触れさせるか、大いなる悩みを抱えた。
では、画像を。

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次にやはり先輩からいただいたコニャックである。
アルマニックよりもこのコニャックの方がいただいた時にそのクラスは判った。
GRANDE CHAMPAGNE は、選りすぐられた地域であるし、それもFineである。
以前読んだ本で「外国の作家がわざわざ『フィーヌ』を飲もうと書いていた」を記憶していたから。
これも画像を。

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ロッキングチェアーや深いソファーに座り、ブランデーグラスに注ぎ、ゆっくりと手の平で温め香りを楽しむ。そして、ふ~と鼻に抜けてゆく香りを……。
私はそんな生活をしたこともないし、今もしていない。
何年か先にそんなゆったりとした時間と心を持てるのだろうか。
一生ブランデーが似合わない生活もまたいいかもしれない。
ただ、フランズ人によってこんな造られ方をしたこいつらは何とかそれに相応しい飲み方をしたいし、しなければ申し訳ない。
いつそんな日が来るのだろうか。
by fullhalter | 2004-12-10 11:55 | 私の好きなもの