革小物vol.13
4月7日、自宅でK’s Factoryの鴻野正好さん、平出孝さんとお会いした時からの念願だった工房を訪ねることが出来た。
8月14日、約束の1時に自宅我孫子から2駅先の取手駅に着いた。間もなくデザイナーの平出さんの顔が。鴻野さんの従兄弟が運転する車で営業の水尾さんを含め4人で工房・鴻野三兄弟の実家へ向かった。30分程経った頃だったろうか、「着きました。」 広い敷地の正面に立派な実家、そして手前右側に工場、工房らしき建物。鴻野三兄弟の長男敏之さん、三男弘好さんが笑顔で迎えてくれた。
お二人とも店で一度お目にかかっていたので、直ぐに打ち解けた。広い座敷に通されお茶を飲みながら雑談をしたのだが、WILD SWANSのトップページにあるボストンバッグ(トランク?)を私に見せる為にわざわざ運んで下さった様で、じかに手で触ることが出来た。
でかい、もの凄くでかい。何ヶ月も船で旅をする時に使われるような大きさだ。ああ、これがトップページで見たあのバッグの実物だ。一人で1ヶ月以上もかけて造ったという。持ってみると、とても握りやすい取っ手に造られている。これがK’s Factoryの皆さんのモノ造りの哲学だと。使い手の使い勝手に、己の哲学・造り手の哲学の融合である。
1時間位過ぎた頃だろうか。
「森山さん、造るのを見ますか。」 待ってました。
まず、お父様が使われていた工場の中へ。大きな機械が設置されていて、「抜き」・「すき」を見せていただいた。特に「すき」は機械の厚さの表示は出るのだが、その革によって表示通りの厚みにはならないと言う。所謂”勘”を働かせないといけない。これが手造りをしている全ての造り手に求められることであり、最も重要なところだと私は思っている。
いよいよ、製品化の工程である。
場所を移し、家の一間の「すき」・「縫い」・「磨き」の工房へ。私は革製品は好きだが、詳しくはない。ただ、前にも申し上げたことなのだが、詳しくない私でもWILD SWANSのコバの仕上げが逸品であることは判る。フルハルターの革に詳しいお客様も
「今どきはこんな仕上げをしているところはないだろうね。」と。
実際にコバの仕上げを見て、「やっぱりね。」と思った。裁断された革たちを「貼り」・「縫い」・「コバ仕上げ」である。
そのコバの仕上げは、ひとつの製品で何箇所にも及ぶ。まず、カンナをかけ、更に特殊な鋏で仕上げた後に磨きなのだが、この磨きが凄い。黒・チョコは筆で黒を塗った後、ボール盤に付けられた丸い木製の工具で磨く。更に光沢を出す為に塗り、磨きの繰り返しである。それがひとつの製品で何箇所にも及ぶ。こんな手のかかることを今どきやっているところなどある筈がないと実感させられた。そしてそれがWILD SWANSである。
この3月にお客様のA氏から3年余り使った財布を見せて貰った時に、『モノが物語る』を感じたWILD SWANSである。いつまでもその精神、心を持ち続け、造り続けて欲しいと願うばかりであった。最後に三男の弘好さんが
「森山さん、もしオリジナルのペンケースの製造工程を見たいのなら朝8時に来て夜8時位迄を予定して下さい。」 参りました。オリジナルペンケースを造るのは、その位時間がかかるということ。あのコバの仕上げを見れば納得。その後常磐線取手駅から2駅先の佐貫というところで今回始めて会った鴻野さんの従兄弟坂本さんともご一緒に、6人で楽しいひと時を過ごさせていただいた。ありがとう。
最後に、これもお会いした時から造りますと申し上げていたWILD SWANSの看板が出来上がったので、画像をご覧ください。
8月14日、約束の1時に自宅我孫子から2駅先の取手駅に着いた。間もなくデザイナーの平出さんの顔が。鴻野さんの従兄弟が運転する車で営業の水尾さんを含め4人で工房・鴻野三兄弟の実家へ向かった。30分程経った頃だったろうか、「着きました。」 広い敷地の正面に立派な実家、そして手前右側に工場、工房らしき建物。鴻野三兄弟の長男敏之さん、三男弘好さんが笑顔で迎えてくれた。
お二人とも店で一度お目にかかっていたので、直ぐに打ち解けた。広い座敷に通されお茶を飲みながら雑談をしたのだが、WILD SWANSのトップページにあるボストンバッグ(トランク?)を私に見せる為にわざわざ運んで下さった様で、じかに手で触ることが出来た。
でかい、もの凄くでかい。何ヶ月も船で旅をする時に使われるような大きさだ。ああ、これがトップページで見たあのバッグの実物だ。一人で1ヶ月以上もかけて造ったという。持ってみると、とても握りやすい取っ手に造られている。これがK’s Factoryの皆さんのモノ造りの哲学だと。使い手の使い勝手に、己の哲学・造り手の哲学の融合である。
1時間位過ぎた頃だろうか。
「森山さん、造るのを見ますか。」 待ってました。
まず、お父様が使われていた工場の中へ。大きな機械が設置されていて、「抜き」・「すき」を見せていただいた。特に「すき」は機械の厚さの表示は出るのだが、その革によって表示通りの厚みにはならないと言う。所謂”勘”を働かせないといけない。これが手造りをしている全ての造り手に求められることであり、最も重要なところだと私は思っている。
いよいよ、製品化の工程である。
場所を移し、家の一間の「すき」・「縫い」・「磨き」の工房へ。私は革製品は好きだが、詳しくはない。ただ、前にも申し上げたことなのだが、詳しくない私でもWILD SWANSのコバの仕上げが逸品であることは判る。フルハルターの革に詳しいお客様も
「今どきはこんな仕上げをしているところはないだろうね。」と。
実際にコバの仕上げを見て、「やっぱりね。」と思った。裁断された革たちを「貼り」・「縫い」・「コバ仕上げ」である。
そのコバの仕上げは、ひとつの製品で何箇所にも及ぶ。まず、カンナをかけ、更に特殊な鋏で仕上げた後に磨きなのだが、この磨きが凄い。黒・チョコは筆で黒を塗った後、ボール盤に付けられた丸い木製の工具で磨く。更に光沢を出す為に塗り、磨きの繰り返しである。それがひとつの製品で何箇所にも及ぶ。こんな手のかかることを今どきやっているところなどある筈がないと実感させられた。そしてそれがWILD SWANSである。
この3月にお客様のA氏から3年余り使った財布を見せて貰った時に、『モノが物語る』を感じたWILD SWANSである。いつまでもその精神、心を持ち続け、造り続けて欲しいと願うばかりであった。最後に三男の弘好さんが
「森山さん、もしオリジナルのペンケースの製造工程を見たいのなら朝8時に来て夜8時位迄を予定して下さい。」 参りました。オリジナルペンケースを造るのは、その位時間がかかるということ。あのコバの仕上げを見れば納得。その後常磐線取手駅から2駅先の佐貫というところで今回始めて会った鴻野さんの従兄弟坂本さんともご一緒に、6人で楽しいひと時を過ごさせていただいた。ありがとう。
最後に、これもお会いした時から造りますと申し上げていたWILD SWANSの看板が出来上がったので、画像をご覧ください。
by fullhalter
| 2004-09-24 10:35
| 皮革製品