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フルハルター*心温まるモノ

巨大モンブランマーク

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  これは、1993年8月末で生涯を閉じた浜松町世界貿易センタービル2階<モンブランサービスステーション兼ショールーム>正面の写真。私のモンブラン人生もこのサービスステーションとともに生涯を閉じたのであるが、丁度10年経った今日、筆舌に尽くし難い複雑な思いがある。

  1977年4月 モンブラン日本総代理店ダイヤ産業のサービス部門に入社した時は、同ビル23階がサービスステーションだった。当時2階にはダイヤ産業の別のセクションが入っていた。それから何年後に2階に移動したのか定かではないが、おそらく6~7年後ではなかっただろうか。従って私はここに10年程通い続けた。「我家」同然であった。

  1993年3月からモンブラン日本総代理店はダイヤ産業からD.G.Jに移行し、その時に2階の「我家」同然だった<モンブランサービスステーション兼ショールーム>も8月末日をもってその生涯を終えることが決まっていた。淋しかった。もの凄く淋しかった。「俺のモンブラン人生も同時に終わらせよう。」

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  これがシンボルとも言える<モンブランサービスステーション兼ショールーム>の巨大なガラス扉の《巨大モンブランマーク》の取っ手である。この取っ手に手をかけた人々は何人いたのだろうか。延べ百万人?いや千万人台かもしれない。モンブランを愛用してくれていたお客様達、取引をさせていただいた流通の方々、そして社員達。皆を暖かく迎えてくれたシンボルである。

  いざ取り壊す段階になった時、その担当者は全て廃棄すると言う。「我家」同然のシンボルマークを棄てるなど…。解体業者の方に絶対、絶対棄てずに置いてくれと、しつこくお願いした。

  約束の朝、「棄てられてはいないか」と大きな心配を抱きながら変わり果てた2階に着いた。約束した解体業者の方はいなかったが、スーパー袋に入れられたマークが左端に置かれていた。「やったぁ~。棄てられていなかった。良かったな。お前達」

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  このマーク 2対4枚あったのだが、一枚はフルハルターの壁で古山画伯の絵などとともにお客様を歓迎し、見守っていてくれている。他の3枚は自宅で大切に保存し、静養してもらっている。

  《巨大モンブランマーク》 大きさは直径21cm、重さは1対6kg。マークの上に乗っているモンブランは、NO.149であり、その大きさが判っていただけるのではないだろうか。

  皆さんに楽しんでいただけただろうか。私自身の自己満足だけでなければ嬉しいのだが。丁度10年目の今日、棄てないで置いておいてくれた解体業者の方に、心から深く感謝して。
  
by fullhalter | 2003-08-30 10:09 | マイコレクション