<13> 星 新一氏
―― 横浜市 T.K.さんからのご紹介――
「私の記憶に残る万年筆に関する文章をご紹介致します。星新一氏は1,000作を超える短編小説で有名ですが、エッセイも多く上記の作品はその一つです。軽い文体、奇抜なアイデアからなる結末が魅力で、高校生の一時期文庫で入手できる全ての作品を読んだ覚えがあります。
私はこのエッセイで星新一氏が透明の窓がついたモンブランを使っていることを知り、デパートの陳列ケースで1つだけ台に傾けておかれている太目のそれらしい万年筆をみつけて、“欲しい、使ってみたい” と思いましたが、同時に値札を見て、“これは子供が持つものではない”と諦めた記憶がよみがえります。 (横浜市 T.K.)
※ この『気まぐれ博物誌』は、いくつもの章によって構成されており、そのなかの一つとして「万年筆」というタイトルの文章が収録されています。残念ながらこの本は現在絶版となっており、書店で手に入れることができませんが、図書館などでなら手に取ることができると思います。上に抄録した部分以外に、司令官と市長の“剣とペンの対決”、アメリカの推理作家ウールリッチの短編『万年筆』などについて描かれています。興味のある方はさがし出して読んでみられて下さい。
――下書きは鉛筆かボールペンでやる。 アイデアを模索する段階で、ここが最も苦しい。 だがそれがすみ万年筆で清書する時は、これは楽しい。 たいていの神話では、はじめに神が出現し、もやもやしたところに天地を作り、最後に仕上げとして人間をお作りになったことになっている。 その人間を作る時の気分と似たようなものではないかと思う。 だから、清書の途中でインキが切れ、字がかすれたりすると不快になる。 楽しみをじゃまされたようなのだ。 しかし、モンブランの万年筆には軸に透明な窓がついており、その心配がなくてありがたい。 きめのこまかいくふうである。 ちょっとした発明ではあるが、それによってどれだけ多くの人の不快さを消したか、はかりしれないことだろう。
星新一著『気まぐれ博物誌』(角川文庫)より
「私の記憶に残る万年筆に関する文章をご紹介致します。星新一氏は1,000作を超える短編小説で有名ですが、エッセイも多く上記の作品はその一つです。軽い文体、奇抜なアイデアからなる結末が魅力で、高校生の一時期文庫で入手できる全ての作品を読んだ覚えがあります。
私はこのエッセイで星新一氏が透明の窓がついたモンブランを使っていることを知り、デパートの陳列ケースで1つだけ台に傾けておかれている太目のそれらしい万年筆をみつけて、“欲しい、使ってみたい” と思いましたが、同時に値札を見て、“これは子供が持つものではない”と諦めた記憶がよみがえります。 (横浜市 T.K.)
※ この『気まぐれ博物誌』は、いくつもの章によって構成されており、そのなかの一つとして「万年筆」というタイトルの文章が収録されています。残念ながらこの本は現在絶版となっており、書店で手に入れることができませんが、図書館などでなら手に取ることができると思います。上に抄録した部分以外に、司令官と市長の“剣とペンの対決”、アメリカの推理作家ウールリッチの短編『万年筆』などについて描かれています。興味のある方はさがし出して読んでみられて下さい。
by fullhalter
| 2002-11-23 16:19
| 作家と万年筆