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フルハルター*心温まるモノ

実録万年筆物語 『4本のヘミングウェイ』

  今回はグリーンアロー出版社刊『4本のヘミングウェイ』 古山浩一著 (税抜き 2,600円)を紹介する。

 前回ご紹介した『4本のヘミングウェイ』は1997年12月、「実録万年筆外伝 その1」というサブタイトルをつけられ自費出版されたもので、
     古山浩一/中谷宗平/フルハルター・森山信彦/
     万年筆博士・山本雅明・田中清美/松田文化堂・松田正男/
     セーラー万年筆・川口明弘/「万年筆の山田」物語
という内容であった。

 古山氏はその後も取材を続けられ、『実録万年筆外伝 その2』を自費で出版されるつもりでおられたのだろうが、グリーンアロー出版社から、「その1+その2」を合わせて刊行されたのが、今週ご紹介する『実録万年筆物語 4本のヘミングウェイ』である。 自費出版から2年数ヶ月経った2000年3月に刊行された。

 追加された万年筆職人さん達の顔ぶれがすごい。 上に記した方々に加えて、
     仙台大橋堂・植原榮一/プラチナ万年筆・渡邊貞夫/パイロット万年筆・千葉茂樹/
     川窪万年筆・川窪克美/エイチ・ワークス・長谷川晃嗣/最後の挽物師・酒井栄助/
     神様・長原宣義/ペン芯職人・中村光夫/市井のペン先調整師・森 睦/
     万年筆職人、内野氏こつ然と現わる/
という具合で、更に内容が充実した。

 いままでほとんど語られることのなかった、万年筆職人、製造メーカー、万年筆愛好家の方々、いろいろな人たちの万年筆に対するこだわりが満載の、日本ではじめての万年筆読本である。 丹念なる取材の末の文章が緻密に構成され、 万年筆にさまざまな角度から光を当てている。 また、特筆すべきは、ほぼ全ページにわたって載せられている挿し絵で、 すべて万年筆を使って描かれている。

 こんな万年筆職人の本は2度と出版されることはないであろう。是非、一冊持っていてもらいたいと、心から願っている。出版社名、著者名を伝え、注文されれば、一般の書店で入手できる。

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by fullhalter | 2002-06-15 11:16 | 万年筆について書かれた本