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フルハルター*心温まるモノ

実録万年筆外伝その1 『4本のヘミングウェイ』

  あれはいつのことだったのだろう。
  『4本のヘミングウェイ』の名づけ親とも言うべき万年筆倶楽部の会長、中谷でべそさんと一緒に、「万年筆の職人仕事を後世の人に伝えたい。 職人さんは高齢の方が多いので、早く取材をして本にしたいが協力してくれるか。 」と古山さんが訪ねて来られたのは。しっかりと記憶している訳ではないが、おそらく1995年であったろうと思う。

  それから鳥取や土浦、松本と取材を続けられ、画家として、また学校の先生としてお忙しい仕事の中、まとめあげて出版されたのが1997年12月。 大変なご苦労をなされ、氏とは何の関係もない万年筆職人についての本が出来上がった。

  この『4本のヘミングウェイ』は万年筆好きの方にとても好評だったが、その理由は、これまで万年筆の本がとても少なく、あっても雑誌でカタログ的なものばかりだったのに、職人の生の声に接することが出来る唯一の本であったからだろう。1995年当時は、古山さんのことは殆ど知らなかった私もこの時の取材を機会に今は親しくおつきあいをしている。

  そのつきあいの中から判ったことは、古山さんが「“文化”や“手仕事”等を残したい、伝えたい」という強い意志のある方だということ。 それは何も万年筆に限ったことではない。

  自費出版本から3年経った2000年3月、『――実録・万年筆物語―― 4本のヘミングウェイ』(定価税抜き2,600円)がグリーンアロー社より発行された。 これについては次項であらためて紹介しているが、万年筆に興味のある方は是非読んで欲しい。 本屋さんで注文されれば入手は可能だと思う。

  自費出版本の内容は、グリーンアロー社刊本にすべて網羅されているが、装幀や挿し絵の鮮明さなど、さまざまな理由から、わざわざ「自費出版本」を求められる方も多い。

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by fullhalter | 2002-06-08 11:03 | 万年筆について書かれた本