ペリカン社限定品神話シリーズ「麒麟」
このたびペリカン社から発売される万年筆『麒麟』は、『青龍』、『朱雀』、『白虎』、『玄武』にひき続き、中国古代の神獣伝説と現代ドイツの精密なる工芸技術が結合され生み出された作品です。ドイツペリカン社の傑出したマイスターの巧みな手により、24金張り純銀製の胴軸に精巧な細工が施されています。
全世界で888本が限定発売され、一本一本に純正品を証する通し番号が付けられております。
中国古代思想によれば、万物は皆「陰」「陽」二つの気から生まれ出ると考えられ、その中で最もすぐれたものは「霊物」と呼ばれました。古人は、飛ぶ・歩く・泳ぐ・這うという性状、羽・毛・鱗・甲殻などの特徴、それに天・地・水・土の活動範囲をもとに、動物を鳥・獣・魚・爬虫の四つの類に分け、各類に一つの代表をおきました。これがすなわち、「四霊」と呼ばれる青龍、白虎、朱雀(鳳凰)、玄武(亀蛇)です。
古えから中国に伝わるところによると、天には二十八星宿(星座)が存し、東西南北四つの方角にそれぞれ七つの星宿が散り、動物を形づくっているといいます。東方は「龍」の形をなし、西方は「虎」の如く、南方の星座は「馬」に似て、北方の星は「亀」の形。のちにこの「四獣」を「四色」と結合させて、色彩を帯びた「四獣」としました。これが、青緑色の「龍」、深紅の「鳳凰」、純白の「虎」、漆黒の「玄武」です。さらに中心を欠いていたので、「麒麟」を中心に据え、黄色を配しました。これすなわち「五行」思想によるものです。
言い伝えによると、「麒麟」は性情が温和で生きたものを殺さず、生きた草さえも踏まないという慈悲深い聖獣で、吉祥を象徴し、その姿は、頭は龍、鼻は豚、蛇の鱗を持ち、頭上に鹿の角、背は虎、龍の腰、馬のひずめ、獅子の尾を有するといいます。麒麟はめでたいことや良いことに向かい、災いや不幸を避ける能力を持つので、太平の世や賢君の治世時に出現すると言われています。
麒麟はまた中国の偉大な思想家、儒教の創始者「孔子」とも密接な関係を持っています。言い伝えによれば、孔子が生まれる前に麒麟が孔子の里に現われ、文字の刻まれた玉書を吐き出し、「聖人」の誕生を告げたといいます。さらに古書の記載によると、孔子が世を去る二年前、当時の魯国の領内で一頭の麒麟が捕えられましたが、人々はこの聖獣を見たことがなく、逆に不吉なしるしととらえ、これを殺してしまいました。弟子が孔子にこのことを告げると孔子は急いでかけつけ、一目見て麒麟と知るや、その死を深く悲しみ嘆きました。「今日の如く天下が定まらぬ時に、何故にこの乱れた世の中に姿を現わしたのだ?今まで正道を広めてきたが、二度と世の中に明らかにされるすべもない。」言うなり孔子は傷心のあまり号泣慟哭し、この時より、編纂していた『春秋』の筆を執ることもやめたと伝えられています。ほどなくして孔子もまた世を去りましたが、このゆえをもって、後世の人々は『春秋』を『麟経』と称しました。
発売日: 既に発売開始
製造数量:すでに発売された“四神”と同じ888本の限定生産で
アジア地区を中心に発売されます。
価 格: 180,000円 (本体価格)
by fullhalter
| 2002-03-16 11:44
| 限定品万年筆