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フルハルター*心温まるモノ

ペリカン・1935グリーン 1998年復刻モデル

  ここでご紹介するのは、1998年に限定製造・販売された「1935」の完全復刻限定版(グリーン)である。

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【 ペリカンのリーフレットより 】

 1929年、ペリカン社の最初の万年筆が世に出ました。1027年に特許化されたピストン吸入機構で装備され、早くも大きな注目を浴びました。1931年には「ペリカン・ゴールド」が発売され、万年筆が実用品から特別な様式の装飾品となりました。1935年ペリカンは美しいデザインで仕上げられたつなぎの部分のリングに釣り合うキャップが付いた最初の万年筆を作りました。当時「ペリカン101」という名前で売り出され、今日では「かつてのオリジナル1935」(“Originals of their Time 1935”)と呼ばれるものです。

  その時代のオリジナルを再び生産するという欲求は、元来の材料で忠実に作ってはじめて正当に評価されるものです。当時も現在も「1935」の柄とキャップは、愛好家がそのカンフルの匂いですぐにそれと判断できる素材――セルロイドで仕上げられています。

  労力のかかる製造、加工する際の手間と複雑性が、セルロイドを万年筆の生産において貴重な材料とする所以です。万年筆の加工用に使える品質のセルロイドを生産できるのは、一握りの製造者だけです。 これがセルロイドをさらに卓越したものにするのです。 「1935」がたったの4000個と限定されているのはここに理由があります。

  セルロイドが色付けにどんな影響を及ぼすかということは、「1935」をよく見るとわかります。典型的な大理石模様は、セルロイドが決定的に影響を及ぼしています。 これは、セルロイドの製造における色素の配量により成り立つものです。 同じ模様は、またとしてありません。 全く異なったものと、微妙に異なったものがありますが、言えることは、セルロイドが万年筆の色彩を作るということです。ですから、自分の万年筆がたった一つしかないものであると自信を持って主張することができるのです。 「1935」の細かい条紋のある大理石模様は、そう簡単に複製することはできません。 「かつてのオリジナル1935」が、収集家にこれほど切に求められる理由の一つです。

  細部にわたって心がこもっていることは、ペリカンでは伝統といえます。 「1935」でもこのことが言えます。 キャップの飾りリングと手で書きなじませたペン先は、オリジナルと同様に、18カラットの金で仕上げられています。当時のペン先の測量技術と刻印を職人マイスターが再製する際、特別の注意が払われました。 キャップの留め金具には金メッキが施され、クリップドロップは当時のように取り付けられています。 この際いかに精密に、高度な作業が行われるかは、「1935」の現代版が当時の万年筆と全く同じ重さでできていることが証明しています。 職人芸の伝統に忠実であることの小さな証拠です。 ペリカンの伝統でもありますが、特別な材料で、綿密な作業で製造されました。 この万年筆を手にする度に、このことを感じ取っていただけるでしょう。


本体 緑色部分: セルロイド
本体 黒色部分: エボナイト
クリップ: ジャーマンシルバー
キャップリング: 18金無垢
ペン先: 18金 F M B
インク方式: ピストン吸入式
製造本数: 4000本
発売時期: 1998年
価 格: 98,000円(本体価格)


  
by fullhalter | 2001-10-27 13:40 | 限定品万年筆