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フルハルター*心温まるモノ

輪島にて

4月22日からの能登2泊3日の温泉への「お試しの旅」の時に寿司屋に行った。
輪島は私が大好きな漆器の産地、そこで寿司屋のおかみさんに
数多ある漆器屋さんの内、どこがよいのか尋ねてみた。
「ここが」という二つの漆器製造、販売の店を教えてくれた。

その内の一店は、当日休みだった。
もう一店は営業していたので見に行った。
その店には私を惹きつける椀があったが、短い時間しかなく、決めることが出来なかった。
残念なことに翌日は朝市が休みの為に店も休みとなっていて、その椀をもう一度見ることは叶わなかった。

帰宅後、店のHPで確認し、メールで問い合わせをしてみたが、
私自身の性格なのか、実際に自分の目でもう一度見ないと決断出来なかった。
縁がなかったのだ、と諦めたのだが、その後、
「ひっとするとあの温泉が私の手に効くかもしれない」と思い、再びその地を訪れることになった。

「涛華堂」八井浄漆器本店へ行き、自分の目でしっかりと確認した。
その椀は、「合鹿椀 無地 朱タメ色」と言って表面の表情、色合いが何とも言えず私を惹きつけた。
高台の高いもの、低いもの、三つの中から表面の色合いが一番気に入ったものを求め、
ホテルに持って帰るのは躊躇われたので、輪島に滞在している間は店に置いてもらうことにした。

そんなことがあり、毎朝散歩の時にその店の前を通るときには挨拶するようになったのだが、
二日目か三日目の朝、ご主人が店にいらして
「コーヒーを淹れるから中に入って」と言われ、30分~40分程話しをした。
ご主人は65歳まで大学の教授をしていたのだと言う。
ご夫婦とも落ち着いた雰囲気の方で、強く勧めるということもしない。
これから毎日でもいいいからコーヒー飲みに来たらいい、と言ってくれ、
「漁港を通って行くと鴨ヶ浦海岸(岩場)や袖ヶ浜という海水浴場・キャンプ場があるからそっちを歩けば」と
散歩のアドバイスをいただいたりした。

教えていただいた道は実に美しい海辺の遊歩道5~6㎞のコースで、
私の今回の旅のもうひとつの目的、「歩く」に相応しいコースだった。
以来そこを歩くことが毎日の日課となった。

八井さんには、夕食の店も教えていただき、主に二つの店を交互に訪れていた。
初めての人と話すのが苦手で、
これまで一人で外食することが出来なかった私は苦行と思って出かけたのだが、
地元の方々のあたたかい心に触れることが出来、
結果として思いがけずも楽しい能登の3週間になった。

来週もこの辺りのことを書いてみます。
by fullhalter | 2013-06-21 16:40 | 旅・ウオーキング