べっ甲、水もく その2
赤道を中心とした南洋の珊瑚礁に生息しているタイマイの甲羅を加工したものがべっ甲。
長崎にはおおよそ400年前にポルトガルから伝えられた伝統工芸品。
伝統工芸品・・心に沁みる響きである。
何十年も何百年も人から人へ伝えられた想いと、その伝統工芸品たちが滅びる恐れのある時代。
息子、娘に後を継がせたくない、継がせられないと思う今の時代。
嘆く人もいるが私は当たり前だと思っている。
大切な息子や娘を食っていけなくなる可能性が高い世界に引き込める筈がない。
フルハルターですらも
「息子さんたち、後を継がないのですか?」と言われる方、何故継がないのかと思われている方がおられる。
そんな時心の中で、(可愛い息子たちをこれから食っていけなくなる可能性が高い世界に引き込む訳がないだろう)と思う。
今回の長崎べっ甲の観海さん、蒔絵の夢舟さん、彫金をしてくださる方、皆そうなのではないだろうか…。
残念だが、時代の流れを止めることが出来ないと思っている。
だからこそ、私自身はしっかりと自分の研ぎを続けるしかない。
それが今の時代に対する微かな私の抵抗。
では、今回の「べっ甲 水もくペンダントトップ」を。
花と葉に続き、楓の葉二点をご覧ください。








