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フルハルター*心温まるモノ

インク漏れについての注意事項

先週はひとりのお客様のご要望でインク吸入についての注意事項を載せました。
その方からは、「飛行機に乗る時は大丈夫ですか?」という質問があった。
私自身はモンブランの輸入元に勤務していた時に、7~8回ドイツ出張を命じられた。
いつも吸入式のNO.146を持参したが、一度もインクが漏れた経験がない。

一方、時々、
「万年筆を持って飛行機に乗るとインク漏れますよね。」との質問を受ける。
そんな時はいつも
「タンク(胴軸内)の中に目一杯インクを入れて乗ってください。
インクが少ないと空気が多くなり、気圧や気温の変化で空気が膨張して
中のインクを押し出してしまいますから。」と答えていた。
そこで今週は、「インク漏れの注意事項」としてもう少し詳しく述べることにした。

素材がエボナイトから樹脂へ変わることによって
胴軸内に差し込まれている部分に櫛溝を入れることが出来た。

万年筆好きの方の中には「エボナイト崇拝者」がいることは知っている。
確かにエボナイトは表面に凹凸があり、インクの含みが良いという特性を持っている。
その一方で欠けやすいという欠点もあり、胴軸内に差し込まれる部分に櫛溝を入れることが出来なかった。
従って、胴軸内の空気が膨張し、押し出されたインクは胴軸外のペン芯で保持するしかなく、
インクが漏れることが多くなる。

最近の樹脂ペン芯は、モンブランの担当が言っていたが、
「ネット化」と言って表面に凹凸加工を施すことが出来、インク含みが良くなった。
樹脂製のペン芯に変わることにより、柔軟性が高まり、
胴軸内に差し込まれる部分まで櫛溝が入れられる様になった。
では、画像で確認してください。

【 M400現在のもの 】
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【 M400旧型 】
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【 146現在のもの 】
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【 146旧型 】
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現在のペン芯は胴軸内部までしっかりと櫛溝があり、
気圧、気温の変化で膨張した胴軸内空気によって押し出されたインクは
この櫛溝部分でしっかりと保持される。

以前、「フルハルターで買ったM400と他で手に入れた古いM400を鞄に入れて持ち歩いていると、
古いM400だけインク漏れがする。」と問い合わせをいただいたことがあったので、
上記の説明をした。

私はペン芯が心臓で、ニブポイントが脳だと言ってきた。
ペン芯はインクをペン先に運ぶ役目で全身に血液を運ぶ心臓に例え、
ニブポイントは紙に当たる部分が使い手と合わなければ筆記具として充分に役目を果たさない。
ひとりひとり当たる部分が違い、万人に合うものはないという
ややこしさを持ってしまっている。
使い手に合わなければ筆記具として充分に役目を果たさない。
それ位万年筆にとってペン芯は重要な役割を担う部分である。
by fullhalter | 2012-08-03 14:34 | 万年筆・関すること