インクの吸入について
「インクを入れる時、どうしたらいいのか?」という質問があった。
「胴軸の先端というより、先端とネジ山の間くらいまでインクの中に入れないと空気を吸ってしまい、
一杯には入りませんよ。」と説明したところ、
いろいろ調べても切り割りの穴の所までとか、胴軸がインクにつかるかどうか位のところまで、
としか説明がないと言われた。
今更だが、来週の更新でインクの入れ方について説明をさせてもらう、とその方に約束した。
過去にも、もう何年も使っている吸入式万年筆で、
「インクが入らなくなった。」とか、
「インクを吸入しても直ぐになくなってしまう。」という相談を受けたことがある。
インクを入れる時に完全にペン先がインクの中につかっていないケースが圧倒的に多い。
インク瓶の口元部分はそんなに大きくないので中が暗く、
ペン先をインク瓶の底にあてたくない、というプレッシャーからだろうと思う。
そこで今回は透明の吸入万年筆を使い、ワイングラスの中の水を吸入して
ご覧いただくことにした。
まず始めに、ペン先切り割りの穴部分まで


ご覧に通り、空気を一緒に吸入する為に三分の一程度の量しか入らず、
気泡が一杯に出来ている。
次に胴軸の先端が水に触れるかどうか、という所まで。


上と同じく一杯に入らず、気泡が多い。
最後に正しい吸入方法である胴軸の先端とネジ山の間まで。


ご覧の通り胴軸内部のペン先くしみぞの空気分が上方にあるが、
目一杯吸えていることがお判りいただけたと思う。
当然だが、胴軸先端部にはインクが付着するので、
ティッシュ等でよく拭きとってから使いはじめてください。
フルハルターHP 万年筆のメカニズムの中に追加いたしました。
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ボトルインクの吸入について