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フルハルター*心温まるモノ

ミネルバリッシオの熟成…grigio/oliva

何度も申し上げているが、私はイタリア産ミネルバが大好きである。
早く熟成してくれて、軽い爪傷は指の腹でこすると消えてくれる。
革小物には特に向いていると思っている。

今でも通勤の往復、約2時間は革小物熟成の時間に充てている。
ワイルドスワンズの革小物を扱ってからもう直ぐ7年だが、ずっと続けているバカ者である。

当初、自分で使って変化し熟成したものと
他の誰かが使って熟成、変化したものは同じだと思っていた。

だが、同じ革、同じ色のものを使ったとしても
使い手によって、もの凄く違う個性に変化してゆくことが判ってきた。

牛(馬)一頭一頭違うし、同じ牛でも場所によって違う。
タンナーなめしもロットによって違うだろう。
ただ、現時点でその違いの主たる要因は、“人”であると確信している。

私が思うに、使い方も大きいのだが、体質の方がより大きく影響しているように思う。
というのも、同じ様に大切に使っている人たちのものであっても色合い、風合いともに全く違った熟成をし、
その人が使っている同じ原皮のものは、ことごとく同じ色合いに変化しているから。
そういう例を実際に幾度となく見るにつれ、思うようにならないのが皮革製品だと思い知らされた。
だから、面白いのである。

今回は私が熟成させたSting ミネルバのグリージオとオリーバの変化である。
既にそれぞれをご覧いただいているのだが、2つを並べてよりお判りいただける画像でご覧いただきたい。

熟成させた後、表側を上に店の棚に展示している為に、太陽光線にさらされた表側の色が徐々に変化したものである。
グリージオとオリーバ、ともに私の目にはグリーン系に見えた。
使ってゆく内に正にグリーンへと変化したのだが、太陽光に当たるうちにグリージオはカーキ色に。
では、二つ並べた画像をご覧いただきたい。

                            表・裏から(左: グリージオ 右:オリーバ)
ミネルバリッシオの熟成…grigio/oliva_e0200879_1432646.jpg


ミネルバリッシオの熟成…grigio/oliva_e0200879_14323693.jpg


               左:グリージオ裏で太陽光に当たっていない 右:オリーバが表で太陽光に当たった
ミネルバリッシオの熟成…grigio/oliva_e0200879_14333550.jpg


                                   最後は上の逆
ミネルバリッシオの熟成…grigio/oliva_e0200879_1434618.jpg



私にはとても面白く、興味深いことである。
どんな環境に置くと、どのような変化をもたらすのか、予想がつかない結果になったりもする。
太陽光に当たる前の色合い、当たった後の色合いもそれぞれが味わい深く、愛おしいと思う。
by fullhalter | 2011-01-14 14:41 | 皮革製品