フルハルター*心温まるモノ

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乾漆鐔根付(松竹梅)

久し振りに夢舟さんの作品を紹介します。
今回は『乾漆鐔根付(松竹梅)』。

溜塗の外箱の中に桐箱に納められた作品ですが、
「何故、桐箱をわざわざ外箱で保護しているのですか?」という私の質問に、
「高級な作品には桐箱を守る為に外箱を付けることが多いんですよ。」との答え。
「外箱の溜塗の方がいいと思うけど…。」と申し上げた。
では、その溜塗の外箱から

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【 作者の言葉 】
梅型の石膏に和紙、麻布を糊漆で貼り付け形成を造り蓋の中に松、竹を毛打ちで描き、あえて渋く青銅塗りで仕上げ外側も全体を渋く仕上げ縁起の良い瑞雲文を蒔絵で、切羽台には夢舟と彫りが入れられています。  


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by fullhalter | 2015-01-30 13:57 | 夢舟の作品達

高倉健さんと万年筆 その4

先週は「高倉健さんと万年筆」でのフルハルター開業まででした。
今週はフルハルター開業後ですが、取材を受けた雑誌をお送りした後の
高倉さんからの手紙です。

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「一度店に…」とあるが、残念ながら訪ねてくださることはなかった。
開店後は電話での連絡が多くなったが、ある時は、
「モンブランのヘミングウェイを贈りたいのだが」との電話をいただいた。
前にも申し上げたが、高倉さんご自身はヘミングウェイが大好きで、もう無いことは判っているが
大切な方に贈りたいのだ、と感じた。
その時私は「3300」のナンバーの万年筆とボールペンのセットを持っていたのだが、
あれだけモノに拘る「モノ好き」の方へなら譲ってもよいと思い、販売させていただいた。
その時の高倉さんからの手紙

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あの時のモンブランヘミングウェイのナンバー「3300」は今どなたの元にあるのだろうか……。

高倉さんからは、店だけでなく自宅にも電話をいただいていたのだが、
電話に出た女房や息子も、全く普通の人だと言っていた。
相手に気遣いをさせない、緊張させない、優しさが伝わってくると女房は感激していた。

ある時、
「最近の書き味、何か違うんだけど。」と言われたので、
「私が居た時は全て研ぎ出し調整させていただいておりましたので」と申し上げたところ、
「やっぱり、そうだったんだ。」と言われ、改めて所謂森山モデルをお気に召してくださっていたのだと嬉しかった。

モンブランを販売出来た時はモンブランを、それ以降は折に触れペリカンを求められた。
その時の受領書が一枚だけ残っていたので健さんのサイン入りをご覧ください。

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モンブランヘミングウェイ万年筆、ボールペンを譲った後だったと思うが、
エッセー集『あなたに褒められたくて』の本と写真2枚、それぞれサイン入りで贈っていただいた。

本は既に1月9日に載せているので写真をご覧ください。

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22年間の高倉さんとのお付き合いの中で最大の驚きは11月10日に亡くなられたことなのだが、
10月(もしかすると9月?)の1週間の休み明けにまず留守電のメッセージを聞くと、いつも通りの元気なお声で
「高倉です。また電話します。」

こちらから電話をすることはなかった私は、「また電話します」を信じて待っていた時の訃報だった。
信じられなかった。
用件は何だったのだろう…、私にとっては永遠の謎である。
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by fullhalter | 2015-01-23 16:10 | 高倉健さんと万年筆

高倉健さんと万年筆 その3

モンブランの日本総代理店は1993年3月から変わった。
サービスステーションは直ぐに移転することが出来なかった為、
同年8月末までの半年間、浜松町の世界貿易センタービル2Fにあった。
半年後、移転と同時に私は退職した。
その最大の理由は、これまでと同じ品質管理やアフターサービスが出来ないと思ったからである。

では次に何をすればよいのか…、
使う人に合わせないと上手く書けない筆記具が万年筆であることを16年5ヵ月の間にお客様から教えられていた。
一人ひとりの筆記角度に合わせた研ぎ出し調整をして売る専門店の開業しかない、と判断した。

それ迄にお世話になった僅かなお客様に開業の報告をさせていただいた。
報告をさせていただいた中の一人、高倉さんからいただいた手紙である。

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「念願の独立」とあり、多くの方々はそう思ったのだろうが、私の中には小売業の開業など全くなく、
それどころか最も向いていない人間だと思っていた。
ただ退職せざるを得ない、それからのモンブランに居てはならないとの思いがあり、
薄氷の張った池に飛び込む覚悟での開業だった。

「自分で出来ることがあれば何なりとお申し付けください。」とあるが、冗談で
「荷物があるので運んでください。」なんて頼めないよな、と言っていた。
銀座で車の中にいた時、酔っ払いが白タクと間違えて
「渋谷まで行ってくれ」と乗り込んできたので乗せていった、という話を亡くなってから聞いた。
何ていう人なんだろうか。
言葉にならない。
「荷物運んで」とお願いしても運んでくれる人だったのかもしれない。
そんなことお願い出来た筈もないが。

では、開店の時にいただいたお祝花の名札を。

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by fullhalter | 2015-01-16 13:47 | 高倉健さんと万年筆

高倉健さんと万年筆 その2

1992年3月2日に初めて高倉健さんにお会いして万年筆、ボールペン、レザーケースのモンブランセットを
自筆のサインを入れて20セットご注文いただいたことは既に申し上げた。

その時、
「キングスブルーの色が変わったよね。前の色が好きだったんだ。」と言われた。
多くの人々は変わったことすら気が付かないのだが、モノ好きの人たちには少しの変化が決定的な違いが
「似て非なるもの」に感じるのが特性で、私は好きだ。
高倉さんもその人種だったことが嬉しくて輸入元に在籍していた私は会社の在庫を探し、
ずっと以前に作っていた特殊なインク達とともに贈呈した。
私が在籍していた時にもう20セット(更にもう20セットだったかもしれないが)ご注文いただいた。
その時にいただいた手紙です。

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モンブラン輸入元であった当時のダイヤ産業でいわゆるファミリーセールのような、親しいお客様にのみ
金無垢や銀無垢等々のセールを行っていた。
その案内を出した時の返信で、私も大好きなダンヒル銀無垢万年筆の注文の手紙で、
この時はモンブランNo.146の金無垢、No.1467も選ばれた。

モノ好き、拘る人だと思っていた人が私にとって「とんでもないモノ」を選ばれると内心がっかりするのだが、
ともに素晴らしいと思っているモノを選んでくださったことが嬉しかった。

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高倉さんの一番のお気に入りは「モンブランヘミングウェイ」で、一番太いBBと交換し、
高倉さんの筆記角度に合わせた、いわゆる森山モデルにしてお返しした。
またこれも縁だと思うが、『あなたに褒められたくて』の出版に関わったお客様がいて本をいただいたのだが、
凄くいい内容だった。
その本が「第13回日本文芸大賞エッセイ賞」に選ばれたお祝いとしてNo.149の3Bを研ぎ出し調整し、
プレゼントさせていただいた。
余談だが、昨年情報サイトでこの本が100位圏外から39位に急上昇とあった。
では、その手紙と新聞コピーと本をご覧ください。

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次回も「高倉健さんと万年筆」、フルハルター編です。
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by fullhalter | 2015-01-09 13:48 | 高倉健さんと万年筆