フルハルター*心温まるモノ

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高倉健さんと万年筆

高倉健さんとの関係はモンブラン輸入元時代に始まった。
広告代理店から担当者に、
「高倉健さんから最も太いペン先のモンブランが欲しいと言われている。」と電話が入った。

担当者が私のところに来て、その旨を話したので
「それは会わなければ売れないでしょう。そのまま売ってしまえばインク切れが起こる可能性が高いペン先なので、あれだけ社会的に影響力の強い人に販売して製品上の問題ではなく、インク切れ等々の不具合があっては我々のダメージも大きいでしょう。」

そのことを伝えると後日お会いすることになった。
品川駅前のホテルにある床屋さんで待ち合わせをしたのだが、ドアが開くと直立不動の高倉さんが居て、
「高倉です。」と挨拶してくれた。

それからBBニブポイントが如何なる形状か説明し、
持参した私が使っている「森山モデル」と呼ばれているNo.149とNo.146のBBを試していただいた。

「これ、いいね~」とおっしゃっていただき、
「実はね、お世話になった方にあるものをプレゼントしているのだが、それが在庫が切れていることが多く、
これからはモンブランにしようか。その方が御社にもいいでしょう。」と商談にまで話が進んだ。
では、その時にいただいた名刺をご覧ください。

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裏には名刺交換の時に私が実践しているお会いした日と場所、簡単な予見をペンシルで書いたのが判る。

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146を何故か149Pと間違えて書いてあるのだが、ボールペンの164にレザーペンケースの
30203と30213販売と書いてある。

お会いしたのは退職1年半前の1992年3月2日であった。

私の目の前で私が持参したBB森山モデルでメモ用紙に英字のサインをされ、
「このサインを入れてNo.146とNo.164にペンケースをまず20セット、注文したい。」と言われた。

その時の手書きのサインは見つかっていない。

手書きのサインをネーム屋さんに渡して、サンプルとして三種彫っていただいた。
残ったものが私の手元にあったので、それをご覧ください。

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人の好みだが、このサインは私にとって字体のバランスが絶妙で素晴らしいと思う。
実際に高倉さん自身で書かれたサインに入った万年筆、ボールペンはある人にとっては、宝物、家宝であろうと思う。

皆さんにとってはどう映っているだろうか。

新年初めの更新は元旦の挨拶ですが、2015年の実質的な第一回は1月9日、フルハルター開業後の高倉健さんです。
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by fullhalter | 2014-12-26 10:22 | 高倉健さんと万年筆

『趣味の文具箱vol.32』

枻(えい)出版社『趣味の文具箱vol.32』は「インクの悦楽」で
各メーカー、各色に多くのページが割かれている。
万年筆好きの多くの方々は次第にインクの色や紙に拘ってくるのが、「道」である。
その意味では、万年筆好きの多くの方々には大いに参考になる「インクの悦楽」ではないだろうか。

ただ私の経験から注意を申しげたい。
インクが出て、万年筆で文字が書けるのは、ペン芯がペン先までインクを運び、
ニブポイントに蓄えられ、その切り割りが紙に当たることによって筆記具たりえる。

メーカーは自社のインクに合う、つまりインクを十二分に運ぶ、ペン芯の設計をしなければならない。
他社のインクを使うことによって、インクが全く出ない場合もあり、
一番ひどい経験は、買われて直ぐ「インク漏れするよ」と言われたことだ。

ご持参いただいた時に、
「どこのインク使っています?」と尋ねると、
「ある店のオリジナルだけど」
「小売業の私は必ずペリカンのインクを使ってください、と申し上げていますけど…。お預かりして調べます。」

このケースが一番ひどい状況で、まだ買って10日程しか経っていないのに胴軸に付着したインクが取れなかった。

オーバーホールし、ペリカンのインクを入れて確認したが、インク漏れはなかった。
万年筆用インクとうたわれているインクならば、どのメーカー、どの色でも合うと考えることは間違いである。

では、どのように対応したらよいのかと言えば、
どうしても使いたいメーカーの色を取りあえず使ってみて、何の問題もなければ使い続けてみること。
インクの流れ、漏れ等の不具合があった場合、直ぐに水を吸入、押し出しを繰り返し、
インクの色が無くなったらそのメーカーのインクに変えることです。

では、少しですが、『趣味の文具箱vol.32』をご覧ください。


表紙から
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インクのぺージ
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ペリカン、パイロット、モンブランのボトルインク達
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フルハルターのお客様である河野さんのページで、人生を楽しんでおられる方。
車の販売をしている方で、改造して売るという意味では私と同じ。
以前副編集長の井浦さんが、
「改造兄弟として対談しては?」などど…。
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最後は古山さんのページ。
今回は久保さんで、私もモンブラン時代大変お世話になった方。

多くの職人に取材をされて感じたことなのだろうが、以前古山さんが
「人の悪口を言わないのは久保さんと森山さん」と言ったことがある。

悪口に聞こえるのは、皆自分のやり方が正しいと信じているから
何十年もその仕事を続けられるし、続けてきた。
誤解されそうだが、他を否定するからこそ自らの正当性を証明することになる。

万年筆も「このメーカーのこのモデルだ」と思っている人は他のメーカーモデルを否定する。
本当はその個人が、好きということなのだが。
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by fullhalter | 2014-12-19 14:03 | ムック本紹介

2015年 『杉原紙カレンダー 二十四節気』

今年もきよこさんから杉原研究所の「和紙カレンダー」が送られてきた。
来年のテーマは、「二十四節気」。

きよこさんは、
「絵の制作時、締め切りはせまってくるのに、今ひとつ自分で納得できるものができず、悩みました。
出口のないトンネルです。でも、あきらめず考え続けていると、ある時ふと前が明るく開けてくるのです。」
とおっしゃっている。

モンブラン輸入元時代、入荷した製品のヒッカカリ直し作業でスランプに陥り、
皆が帰った後に研ぎ出し作業台の前で何時間も座っていたことを思い出す。

他人から見ると、「何やってんだ、こいつ」と思われても仕方ないのだが、
「無」の時間が必要で、11月28日の「満寿屋 MONOKAKI」で述べたように
ボーッとしている時間が必要だと実感している。

無駄な時間と思われることが、次に進む為にどうしても必要なのが人間ではないだろうか。
では、生みの苦しみを経て出来上がった「二十四節気カレンダー」をご覧ください。


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1月から順に

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このカレンダーはフルハルターで会うことが出来ますので、
ご興味のある方はお申しつけください。
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by fullhalter | 2014-12-12 11:49 |

「ミケランジェロとヴァザーリ」

古山さんのブログは必ず見ている。
11月17日のブログは、「いよいよヴァザーリミケランジェロ出来上がってきました」とあったが、
その本が古山さんから送られてきた。

中に手紙があり、私が研いだペリカンM1000の極細等を使った、とあった。
このイラストの人物画が可愛く、それぞれのコメントが実に面白い。
活字嫌い(本も読まない)の私でも読みたいと思う程、面白い文章である。


では、表紙から。
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by fullhalter | 2014-12-05 11:42 | 古山作品