フルハルター*心温まるモノ

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エカイユ万年筆

フランス S.T.Dupont 製のライターが好きなことは、これまで何度か申し上げてきた。
私にとって、デュポンという会社のモノ造りに対する姿勢、哲学が、ブランド会社としては最も受け入れられる。
筆記具よりもライターに よりそれを感じている。
ライターを構成するそのひとつひとつの部品に、造る人達の思いが見える。
その刻印に全てが表現されていると言っても、過言ではない。
それは、顔であるから。

私の持っている筆記具の殆どがモンブラン。
勤務していた会社の製品だから、当然である。
会社を退職してからフルハルターを開業し、それ以来折りに触れてモンブラン以外の筆記具が自然に集まってきた。
それも、私自身が好きであるモノ。

今回からご紹介するS.T.Dupont は、70年代後半から80年代中頃までに造られた、まだ「古き佳き時代」のモノである。
第一回の今日は。私のデュポン達の中で最も好きな、チャイニーズ ラッカー(漆)のエカイユ万年筆である。

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この万年筆の中で、私が最も好きになれない部分。
それが最も重要なペン先であることが…。

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【 仕様 】
素材:    925スターリングシルバー
仕上げ:  チャイニーズラッカー(中国漆)

太さ:    キャップ…10.7mm  胴軸  …10.3mm
長さ:    収納時 …134.5mm 筆記時…156mm
       キャップのみ(64.5mm)
       胴軸のみ  (70.0mm)
重さ:    23g

1970年代後半から1980年代前半の THE PENによれば
価格は、80,000円
ちなみに、その当時モンブラン149は、28,000円 146は、20,000円
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by fullhalter | 2009-02-27 14:58 | 愛しきものたち(筆記具)

象牙印籠『巻狩蒔絵』

先週は長い間の私の念願、「川蝉蒔絵」、しかも素材も大好きな「黒柿」をご覧いただいた。
十年前に川蝉の蒔絵を見てからというもの、いつの日か実現したいと願っていた。
黒柿の印籠、「蟻と蟋蟀」を見た時に、これだ、と思った。
先週も申し上げたが、その当時夢舟さんが持っていた他の二つの素材は鉄錆び塗りをしたものと、黒柿のそのままのものだった。
私は黒柿の木目が好きで、そのままのものに、念願の「川蝉」を描いてもらうことにした。

夢舟さんは大変忙しい方、だから私がお願いしているものは、なかなかという状況である。
急ぐものではないので、全く問題はないが。
ある時、夢舟さんから
「遅くなったのですが、森山さんからお願いされているもの描きます。どれを先にしましょうか。」
と連絡をいただいた。
即、「黒柿川蝉」と答えて出来た作品を、先週ご覧いただいた。
「黒柿川蝉」が私の手元に届き、お礼の電話をしたところ、「象牙の印籠」も出来上がっているとのことで、直ぐに送ってもらうことにした。

いや~びっくりした。
念願の「黒柿川蝉」に大満足していた私は、正直ショックだった。
一瞬だが、その大満足が霞んだ。
「すげ~、ものすげ~。」
息が止まった、鳥肌が立った。
そのくらい凄い作品である。
今時間が経って冷静に考えてみると、小さい頃から象牙が一番好きな素材であり、蒔絵が一番好きな職人の仕事である私には、当然の結果。
時計の文字盤でさえ、ずっとアイボリー色を望んでいる私が、とうとう本物の「象牙に蒔絵」に、出会ってしまったのだ。
完全に心を打ち抜かれた。
今、「黒柿川蝉」に申し訳ないような気持ちでいっぱいである。
でも、偽らざる心であるから、それも仕方ない。
それにしても、象牙っていい、また、蒔絵が凄くいい。
欲しい~と思うが、無理。
川蝉の4倍もするのだから。
でも、いつか誰かが自分のものにするのだろう。
「ちきしょう」という気持ちと同時に、これを手にした人は、幸せな人だと思う。
画像でこの素材の奥深さ、夢舟さんの心と技が伝わるのか自信はないが、どうぞご覧になってください。
では、作者の言葉から。

【 作者の言葉 】
鹿狩している一瞬を描いた物です。
わたしは、今時計文字盤にも蒔絵をすることがありますがそのときにはすべて顕微鏡をつかいながらの作業になりますが、この印籠の時にも全てではありませんが、顕微鏡を使いながらの作業でとても神経の使う仕事でした。
象牙に蒔絵をすることはとても難しく普通の器物に蒔絵をするよりも何倍も作業の工程が多く大変でした。
また根付は手彫りでお多福を彫り色漆を塗り仕上げた物で緒〆は人物の着物の色に合わせた翡翠を使いました。


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左:根付  右:緒〆
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先週の「黒柿川蝉」と
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30年位前に、叔父に貰った蒔絵印籠と象牙の根付。
印籠に興味を持たせてくれたきっかけとなった作品。
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by fullhalter | 2009-02-20 11:06 | 夢舟の作品達

黒柿印籠『川蝉蒔絵』

あれはいつだったのだろうか。
数年は経ったと思う。
黒柿を加工する作家の作品「印籠四段引き出し」に夢舟さんが『蟻と蟋蟀』の蒔絵を描かれた。
黒柿の木目、そして夢舟さんの蒔絵に心を奪われた。

その後直ぐに聞いてみた。
「この黒柿大好きなんですけど、材料はまだあるんですか。」
「あと二つありますよ。黒柿そのままと鉄錆び塗りにしたものが。」
実際に持参してくれたその二つの内、黒柿そのままの木目が気に入った私は、以前からの念願だった川蝉を螺鈿を使って描いてもらうようにお願いした。
そして出来上がったのが今回の作品である。
とても気に入った、
黒柿の持つ木目の落ち着きに似合った、派手さを極力押さえた作品に仕上がった、と私は思っている。
筆舌に尽くしがたいと言うが、全くその通りで、言葉では表現出来ない。
画像で皆様にご覧いただきたい。
では、作者の言葉から。

【 作者の言葉 】
フルハルターさんからの依頼により黒柿の木地に合わせて川蝉を描きました。
ヤマメの魚をくわえている川蝉と川に飛び込む川蝉を描き 根付は川の輝きをイメージしたものです。 川蝉の色をいかに近づけるかで黒蝶貝・白蝶貝をつかいわけ 毛打ちし仕上げるところが一番苦労したところで、芦の葉と木の枝は赤胴と金をつかいわけ黒柿は艶を消し仕上げ、根付は、鮑貝を貼り付け赤胴と金をつかい緒〆は金平目梨地で仕上げました。


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ちっちゃな4つの引き出し、何に使えるのか。
仁丹、ちっちゃな錠剤。
いや、イリジウムポイントが一番似合っている。
私は玉付けが出来ない。残念。
久保さんが持たれると良いのかも。
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by fullhalter | 2009-02-13 10:51 | 夢舟の作品達