フルハルター*心温まるモノ

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TAKUYA

  新進気鋭の革製品作家「TAKUYA」さんは、独学で好きな革を学び、この数年で前職を辞した。
そのキッカケは、前職の同僚(先輩)に万年筆好きが居られ、「万年筆の集い」に出席する内に多くの愛好家からの切なる要望に応え、ペンケース造りを始めた。

  あの古山画伯からだろうと思うが、首からつるすペンケースの要望があり、愛好家の集いや、『万年筆の達人』出版記念パーティーでは多くの愛好家が「TAKUYA」製のペンケースを首から提げていた。

  フルハルターの仲間にもTAKUYAさんの作品に惹かれている人が多く、ペンケースのみならず、革製品を既に持ち、更にオーダー中の人が居られる。
その中の1人が造っていただいた「TAKUYA製ブリーフケース」を明日(5月26日)に見ることが出来る。
楽しみである。
違う皮革のブリーフケースをオーダーしている人がいるのだが、その方からのメールの一部を紹介しよう。
「西洋のエッセンスを融合させた繊細さ漂う日本人の仕事ですね。
コバの仕上げ(必見!)は拓也さんの好みのイタリア靴その物ですが。」

  この方は、私など比較にならない程、革そのもの、そしてその製品、また時計への愛着、知識が深い。
道楽者?
いえいえ、人生を深く楽しむことを知っている求道者であります。
他にもいろいろなモノに深い知識を持っている仲間が居る。
10名程の仲間だが、皆多くの知識を持った否、持ち過ぎた人達で飽きれてしまう。
「間もなく62歳。今まで何やってきたんだろう。」と思わされる。
でも、そんなことでは落ち込まないのが、62年間の人生を歩んできた強さであろう。

  さて、今回の更新の本論に入ろう。
5月4日 TAKUYAさんが店を訪ねてくださった。
「HPで紹介していただいたお礼に来ました。」
何と義理堅い。
土産まで持って。
それも「心」が判るものを。
何時間居られただろうか。
他のお客様が帰られ、2人になった時に、3つのペンケースを出された。
二つは「文具箱」で紹介された形だったと思うが、他の一つに目が留まった。
「これペリカンの1931用に造ったペンケースです。」
(なに~。1931。じゃ~俺用じゃないか。)
「自分の手で磨いたんですよ。」
「これ、売り物?」
「そうですよ。」

  ということで、買い求めたペリカンの1931用ペンケース。
前置きが長くなったが、画像をご覧ください。

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  尚、フルハルターでTAKUYA製ペンケースや他の革製品のオーダーをお受けすることは出来ません。
直接、ご本人にお願いいたします。
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by fullhalter | 2007-05-25 12:46 | 皮革製品

ファーバーカステル社ストーンウッド

先日、ファーバーカステル PEN OF THE YEAR 2006 『マンモスアイボリー&エボニー』のオーダー残の確認の為、問屋に電話をした。
「マンモスの件は、輸入元に確認します。ところで、今年のはどうします?」
「いや~、高いよね。Bの在庫あります?」
「今2本ありますけど。」
「仕入れ出来るか判断がつきかねているんだよね。1本、1本違う筈で、見てみないとと思っているんだけど、貸してもらうこと出来る?」
「いいですよ。」

ということで、2本の2007年モデル『ストーンウッド(化石木)』を借りて、撮影した。
では、ご覧ください。

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Graf von FABER-CASTELLの「PEN OF THE YEAR」は2003年から始まった。
スネークウッド・琥珀・ガルーシャ・マンモス そしてストーンウッド。
今、スネークウッドの15万円が安いと思う。
お客様もそうおっしゃる。
でも、違うよね。
万年筆で15万円が安いなんて。
100万、200万などなどで、感覚が狂っている。

今回のストーンウッドは、本体価格35万円である。
私は、ずっと、スネークウッドが熟成してくれて、一番いいと思っていた。
しかし、違っていたような気がする。
薄い色の部分がだんだん濃くなり、濃淡が判りにくくなる。
昨年のマンモス&エボニーが熟成してくれて、一番のような気がする。
ただ味わいを深めるには、10年、20年、30年かかりそうだが。
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by fullhalter | 2007-05-18 11:34 | 限定品万年筆

『鳳凰』 

ピーター・スピークマリンをご存知だろうか。
ご存知の方が居られたら、万年筆のみならず、時計にも詳しい方であろう。
若手(?)の嘱望株らしい。

店に来られる方で、もの凄く時計好き、詳しい方が居られる。その人に、
「夢舟さんが、今度ピーター・スピークマリンという時計師の文字盤に蒔絵を描くことになったのですけど。知ってます?」と聞いてみた。すると、
「知っているどころか、私が大好きな時計師で3本の指に入るかもしれない人だよ。」という話だった。
その後、夢舟さんご夫婦とお祝いをした。
その位凄いことだと、私は思っている。

では、3ヶ月間他の仕事を一切せず、専念して出来上がった「鳳凰」蒔絵のピーター・スピークマリンの時計をご覧いただきたい。

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残念ながら、「鳳凰」の蒔絵の本当の味わいが出ていないと、私は思っている。

この蒔絵を気に入られたピーターは、今年になってバーゼルのフェアーに間に合うように、もう一つ「龍」を描いて欲しいという強い要望を伝えてきた。
夢舟さんは4月の始めまでに精魂込めて描き上げ、今年4月のバーゼルには「鳳凰」、「龍」の作品二つが並べられたらしい。

蒔絵がいろいろなモノに描かれている。
万年筆の世界ではペリカンのみならず、他の外国メーカーでも造られている。
今回は世界的に有名な独立時計師の文字盤に。
日本の宝である蒔絵が世界に認められ、進出してきているような気がする。

外国の方々に蒔絵の質が判るのだろうか。
ただ、商売になればは、世の常。
本当に質の高い蒔絵、つまりは描き手が妥協しない心を持って描いたモノ。
そうしたモノを供給していかないと日本の蒔絵そのものの評価を落とすのではないかと心配である。
そこに携わる人々に心して欲しいと、願うばかりである。

【 作者の言葉 】
今回、独立時計師のピーター・スピークマリーン氏とコラボの蒔絵時計のお話しを頂きました。
ご協力頂いた方からピーターさんの資料を集めて頂き、ピーター氏の時計に対する思いやこれまでの経緯など自分と考えが似ていること、ピーター氏の時計にとても感動したことなど含め、3.4cmの文字盤に蒔絵を施すことになりました。
スイスのバーゼルフェアーに出品しても恥ずかしくないピーターと自分の誇れる時計を発表したいとはじめたのですが、これだけの細かい作業に特殊な眼鏡を注文したり、自分で、道具を作ったりしながら何とか仕上がったときには、感動か?疲労か?しばらく仕事ができない状態でした。

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by fullhalter | 2007-05-11 11:23 | 夢舟の作品達