フルハルター*心温まるモノ

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蒔絵合子 『渚の追憶』

今週の夢舟さんの作品は、平成12年に造られた蒔絵合子 『渚の追憶』である。

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* 大きさは直径: 24cm 高さ: 9.5cm


【 作者の言葉 】
漆では純白色が表現できません。
渚の追憶では白をどうしても使いたかったので卵の殻(ウズラ)を砕き一枚一枚貼っています。

この作品は、公募展の意向に添うようにと一生懸命に作品を仕上げたものです。 
今、私が求めている自分らしい作品というより公募展向きかもしれません。
物造りはどこまでやっても、いくつ仕上げても完璧や満足に行き着くことがありません。

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by fullhalter | 2005-03-25 20:21 | 夢舟の作品達

蒔絵盛器 『天海地』

今週の夢舟さんの作品は、蒔絵盛器 『天海地』である。
天は龍を研ぎ出して描き、海は盛器裏側に海色の青漆で波を表現する為に粘り気を持たせ、硬い刷毛で一気に塗り上げた。
地は盛器底面に変わり塗りの一種で地のゴツゴツした感じを出した。では画像を。

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* 大きさは直径: 35cm 高さ: 7cm


【 作者の言葉 】
この作品には実に苦い思い出があります。
この頃から私は自分らしい作品を仕上げたいと思うようになっていました。
ある有名な大先生に図案をみていただいた所
「キミは絵をなめている、龍は未だに私でも描けないんだよ」
と言われました。しかし怖いもの知らずの私は龍を描いて見事落選。
散々悩み、結果はそれでも自分の納得できる作品づくりをこれからも続けていこうと思いました。
批判もけっこう。変わり者でけっこう。
私が森山さんに強く惹かれるのは自分を信じる信念を持っておられる所かもしれない。
私は蒔絵師では相当な変わり者らしいが森山さんもご自分で変人と言っておいでた・・

もしかして変人同士?なのかも・・。失礼しました。

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by fullhalter | 2005-03-18 11:15 | 夢舟の作品達

鮎蒔絵 香合

今週の夢舟さんの作品は、平成10年の作品 『鮎蒔絵 香合』。
先週の鳳凰の時の作者の言葉通り平成2年から今回の10年までのつらい時期を乗り越えられ造られた作品である。
では、画像をご覧ください。

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* 大きさは幅: 6.5cm 7.5cm 高さ: 3cm



【 作者の言葉 】
岩の間 鮎同士の縄張り争いをしている一瞬をえがいた。
金平目、銀平目を一枚づつ貼っていくのが気の遠くなる作業でした。

私はとにかく自分の作品を手元に残していきたいと考えるようになりました。
そうなると自然と自分が本当に描きたい物が次々と頭の中に浮かびあれもこれもと図案が浮かぶようになり、自分しか表現できないものに挑戦していきたくなったのです。

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by fullhalter | 2005-03-11 08:34 | 夢舟の作品達

フルハルターの現況(1)

 店を訪ねてくださったお客様は例外なく“小さな店”と思われるらしい。
確かに小さな、小さな万年筆専門店である。
じっくり、ゆっくりお話しさせていただき、使われる方のライティングスタイルを拝見させていただき、研ぎ出しのイメージを湧かせる為には大きな店では実現出来ない。自分の思いを具体化出来るのは今のようでなければならない。
従って、私にとっては、小さな店でなければならない必然性があるのである。

 ひとりひとりのお客様とじっくり、ゆっくりお話させていただいて始めてどんなバランスの万年筆が合うのか、どんな太さのペン先がよいのかが判り、また研ぎ出しのイメージが湧いてくる。今の時代では“絶滅したような店”ではないのだろうか。
その結果、2時間、3時間、あるいは5~6時間居られる方も珍しくない。珍しくないというよりも、2~3時間が普通かもしれない。
最近は店での調整作業が殆ど出来ないし、見込んではいけないと思っている。
火曜・水曜の休業日に自宅で研ぎ出した後、最終調整までしている為に仕上げまでには1~2ヶ月かかってしまっている。今の時代全てが急がれているような気がする。今の時代には合わない店かもしれない。でも、私にはこのやり方しか出来ないのだ。

 もともと、万年筆という道具はじっくり、ゆっくり書いてみて、その万年筆が合うのかが判る道具である。
1ヶ月、3ヶ月、半年使ううちに持つ位置や筆圧が変化する道具であることを思うと、今のやり方、あり方が最も合っていると、私は確信している。

 今までも、今も、そして将来も“こんなフルハルター”である。
こんなフルハルターにご賛同いただける方にいらしていただきたいと、願っている。
“いい出逢い”をお客様も願っているのではないだろうか。

 来週は、お客様に誤解されているのではないかと思っていることを書いてみます。

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by fullhalter | 2005-03-11 08:26 | その他

大棗 鳳凰蒔絵

『大棗 鳳凰蒔絵』は平成2年の作品である。
この時期は夢舟さんご自身蒔絵師として作品を造り続けられるか否か、不安と期待が交じり合った時だったと思う。

ご自身の最も初期作品と言っていいらしい。
この鳳凰とともに、鼓、山水の棗(なつめ)も同時に製作されたのだが、今は鳳凰しか残っていないと言う。
ある意味夢舟さんにとって親方から旅立つ卒業作品でもある記念の思ひ出に残る作品がこれからご覧いただく『大棗 鳳凰蒔絵』である。では、画像を。

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* 尚、大きさは直径: 7.5cm 高さ: 8cm


【 作者の言葉 】
鳳凰の平成2年から鮎の平成10年までの間の作品は残っておらず、 この間は職人としてひたすら依頼された品物を描いていました。 自分の思いと違う作品作りに疑問や、不信感、自己嫌悪が 日増にふくらんで行きやっぱりこのままでは...と思っていた ことを改めて思い出しました。
大棗(おおなつめ)鳳凰だけはどうしても手放せず箱入り娘になりました。

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by fullhalter | 2005-03-04 07:35 | 夢舟の作品達

モンブランNo.23 

今回紹介する1960年代モンブランNo.23は当時在籍したダイヤ産業にもデータが無かった。
私の記憶ではある日突然どこからともなく日本にやって来たような気がする。
もう少し真面目に話そう。おそらくドイツモンブラン社で造られていたが、その年数もNo.74やNo.72のように1960年から1969年までということでもなく、もっと短期間に製造されたモノではないだろうか。

No.149の<クーゲルポイント>というペン先があった。
このクーゲルとはドイツ語で「球」という意味。通常のペン先のポイントは丸い球を金の地金に溶接し、上面の約半分を研ぎ落とす。ただクーゲルポイントはその名の通りクーゲル(球)で、上面を研ぎ落としていない。正球ではないが、ほぼ球形のポイントであり、裏返しても書けるようにする為の形状である。
このNo.149 クーゲルの太さにはKEFからK3B、そしてオブリークの太さも3種あった。このクーゲルポイントが突然やってきたのである。
私とは別のセクションにドイツから、
「こんなん あるよ~」と情報が入り、誰かが
「ほなら、来日させて~」と言って突然やってきたのである。おそらく同じような経緯で日本にやってきたのが、このNo.23ではないだろうか。

No.74はNo.14の、No.72はNo.12の金キャップ版。No.23はNo.22のそれである。言い方は悪いが、ドサクサに紛れて来日されたNo.23さんには正式な戸籍がないのである。私が知らないだけかもしれない…。どうなんだろう?ご存知の方がいらしたら教えて欲しい。では、画像をご覧いただこう。

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以下はNo.72とNo.23の比較画像。
* 赤軸→No.72 緑軸→No.23

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【 製品仕様 】
キャップ・クリップ: 金張り
胴軸: 樹脂
ペン先: 14金
太さ: キャップ:12.0mm 胴軸:11.7mm
長さ: 129.5mm 筆記時:144mm
重さ: 17.6g
インク吸入量: 1.4CC
ボディの色: 黒のみか、4色か不明

■ 製造年代:  不明
■ 最終販売価格: 不明 
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by fullhalter | 2005-03-04 07:23 | マイコレクション