フルハルター*心温まるモノ

カテゴリ:インク研究会( 37 )

インク研究会と便箋

インク研究会立ち上げに当たって申し上げましたが、万年筆・紙・インクは不離一体である。
研究会の方々は、多くのインクを買われ、試し、フルハルターのサイトの離れで皆さんに報告してきました。皆さんが集まられた時は、インクとともに紙の話題が多かったと思います。

ある時に入手困難なあるところでしか買えない和紙を。またある時には和紙で造られた高価な数種の葉書を。高価な和紙かと思えば、通常の紙よりもはるかに安く、万年筆と絶妙の相性の紙が持ち込まれることもある。それもメンバーの分まで用意してくるのである。いずれにしてもそれぞれ忙しい仕事をお持ちの方々がインク・紙を探し、自らの財布から散財し…それもメンバーの分まで。
「何なんだ。この仲間は。」と思わされる。
一方で、今のこの時代にこんな仲間に恵まれたこの方達は“真の幸せ”を感じている人達なのだと思う。

さて、今回の便箋である。
マーマレードさんの会社で使っている数種の紙をメンバー全員に渡し、それぞれがテストをし、集まっては何がいいのかディスカッションを繰り返してきた。最終的には2種が候補となり、今回の紙に決定された。次は用紙の大きさ・罫線を入れるかどうか、罫線の幅は?その色は?線は点線か…。
何しろ自己が確立されている方ばかり、当たり前だがなかなか決まる筈がない。ただ、この仲間に入れて本当に良かったと思うのは、最後はそれぞれが自然に引き際を心得ていて決着するのである。

思いが強い、「こだわりの物」については譲れない、譲らないが世の常である。何故この方達は引き際を心得ているのだろうか。自然にそんな人生を歩まれて来た方々なのだろう。だから互いが自然に本能的に引き合ったのだろう。その仲間の一員でいられることの幸せを感じている。インク研究会の方々のみならず、”ゼクス・フェーダー・クラブ”の方々、更に他のお客様も多くの穏やかな方々に恵まれている。

また話がそれてしまった。悪い癖である。この便箋を造られたマーマレードさん、本当に感謝しています。今回の便箋が最高でないかもしれませんが、同じ紙と思っていたモノが時代とともに、我々には判らないところで変化しています。それは紙だけではなく、あらゆるモノに言えることかも知れません。おそらく裏抜けした今回の紙にきっと心を痛めたことと思います。でも、まだ先がある楽しみも出来たではありませんか。また難産を楽しみましょう。皆で。

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by fullhalter | 2004-12-03 14:18 | インク研究会

序・緋色の研究-レッド・ブラック?- (碧)

 1日中万年筆を使っているにはどうしたらいいか?  
これが私の長年の命題だった。私は編集の仕事をしているので普通の人より筆記具を使う頻度が高い。下手をすると1日中ペンを握っていることもある。そこで考えたのが,赤インクである。編集の赤入れをすべて万年筆でやれば万年筆を使っている時間が飛躍的に長くなる。そう考えて,校正やメモ書き,指示書などできる限り赤インクを入れた万年筆を使うことでこの命題を解決した。

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 20年前,仕事では赤鉛筆を使用していた。そして時代とともに赤ボールペンになったが,今現在は万年筆4本(赤極細,赤太字,青極細,緑極太)と3色ボールペンを使い分けている。しかし,“赤は怖い”というのが長年使用してきた実感である。赤の色素は染料系のインクでも非常に強い。吸引式の万年筆に赤インクを入れて1年も使っていると,何度水洗いしても落ちなくなることがある。最近のインクは結構やさしくなったが,それでもインクによっては粉を吹くことがある。これはパーマネントインクによく似ている。インク瓶のフタがなかなかあかないようなとき,苦労して瓶のフタをあけてみると粉だらけになっているというあの現象に似ている。なぜか?

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 このあたりから,紅鮭さんとともに赤インクの研究をしている。そのタイトルとして「緋色(赤インク)の研究」と名付けた。  
 しかし,なかなか研究が進まないので,その露払いとして「序・緋色の研究」として今回ちょっと違った赤インクをご紹介しよう。

 私が,インク研究を始めたきっかけは,フェンテの会の中谷でべそさんから来るお手紙であったと,ずいぶん前にご紹介した(第7回こだわりのグリーン)が,その時から気に入って今現在も使用しているインクがモンブランのボルドーである。赤と茶色と黒の混ざったような色。ブルー・ブラックと対比するとレッド・ブラックいったイメージである。  
 このような赤と茶色と黒の混ざったような色はいろいろな会社から出ているが,メーカーによってネーミングは違い,ボルドーとかバーガンディという名前が多い。はっきりした日本語がないので今回はレッド・ブラック(赤茶黒色?)と勝手に名前を付け,話を進めたいと思う。  
 今現在,モンブランのボルドーがあまりにも有名になってしまったが,私が使用しているレッド・ブラックには以下のようなものがある。

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 この中で,プライベート・リザーブのバーガンディ・ミストが一番のお気に入りである。茶色にならず,ピンクと黒が溶け合ったような色合いだ。モンブランのボルドーより少し濃く,ピンク色が強い。  
 茶色になってはいけない,というのがレッド・ブラックに対する私のこだわりである。モンブランのボルドーはその境界線にあるぎりぎりの色合いを持っている(バーガンディ・ミストよりちょっと茶色に近い)。だが私はもう少し濃く,ピンクまたは赤に近い色が好きだ。  
 今現在のように多くのメーカーがレッド・ブラックを出していない頃(モンブランのボルドーしかなかった頃),モンブランのボルドーがそんな色にならないか,と実験で熟成させたことがあったが,瓶の1/3をとばしたところで諦めた。なぜかというと,茶色になってしまったのだ(正確には濃い赤茶色)。なんとも変な色なのである。しかし,これを万年筆でやると結構いい色になるから不思議だ。森山さんが万年筆の中で自然と熟成させているモンブランのボルドーはなんとも言えずにいい色になっている。そこで,黒インクを混ぜてみたが.........(こりゃひどい)。なんとも変な色になってしまった。

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 とにかく私のこだわるレッド・ブラックにもっとも近い色が,プライベート・リザーブのバーガンディ・ミストだ。しかし,プライベート・リザーブのバーガンディ・ミストとヌードラーズのバーガンディは長期間インク吸引式の万年筆に入れておくと,メンテナンスで水洗いしても簡単には赤色が落ちず,大変苦労したことがある。水で洗っても洗っても赤いインクが出てくるのだ。仕舞いには分解掃除をしてやっときれいになったこともあった。これが最大の悩みである。

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 そこでただ今,期待しているのが,ヤンセンの“ピョートル大帝”である。私のもっているヤンセンのインクは水洗浄掃除のとき,色落ちがよく万年筆のメンテナンスが非常にやりやすかったので,これもやさしいインクではないか,と期待して使い始めた。色はプライベート・リザーブのバーガンディ・ミストと肉眼では判別しづらいほど似ている。  

 さてさて,今回はレッド・ブラック(?)をご紹介致しましたがみなさんはどれがお好きでしょうか?。近いうちに本当の「緋色(赤インク)の研究」を紅鮭さんがご報告してくれると思いますのでご期待下さい。
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by fullhalter | 2004-12-03 14:11 | インク研究会

紙探しの旅 (マーマレード)

フルハルターで万年筆を手に入れてからというもの、ぬらぬら書けることが悦びにな った。
ぬらぬら書けるためのキモがペン先の調整にあることに異論のある方はいないだろう。 だが、当然のことながら紙がざらついていては気持ちよく書けない。(例外的に、ざ らついているのにもかかわらず書き心地がいいというおもしろい紙もあるのだが、今 回はその話は横へおいておくことにする) あれやこれや、これはいいこれはダメだとお気に入りの紙をさがすようになる。イン ク研究会の諸氏も同様とみえ、顔を合わせると鞄から便箋やメモパッドを取りだして は「これどう?」というのがお決まりの儀式となった。

書きやすい紙が越えなければならないハードルはひとつではない。滑らかなだけでな く、にじまず、裏抜けせず、インクの乾きがよいものが望ましい。だがそれらは相反 する性質を包含している。吸収がよくて乾きの速い紙は、繊維が疎なせいかにじみや すく裏に抜けやすかったりする。市販の便箋にはたいてい万年筆・毛筆用と謳ってあ るが、そのうちどれほどが、これらの条件を吟味して作られているのか。たとえ紙質 が気に入ったとしても、今度は罫線の太さや間隔、印刷色が気に入らない。これだと いうモノにはなかなか出会えない。

それは偶然だった。
使わなくなった社用の用紙をメモ書きに使っていたのだが、ある日万年筆でメモをと ると思いのほか書きやすい。皆に試してもらったところ、やはり評判がいい。自然と 「この紙の便箋があったらねぇ」という声があがった。それではと印刷屋に同じ紙が 手に入るか問い合わせてみることにした。ついでに、滑らかで薄手の用紙を選んでも らい、ほどなく5種類の紙が見本としてとどいた。どれも滑りはよい。だが微妙にに じみが出たり、裏に抜けたりする。インク研究会の面々にも見本を渡し、吟味しても らった結果、やはり最初の紙が一番いいということになった。この紙は滑りの点では 二番手だったが、薄手であるにもかかわらず、にじみや裏抜けがなくインクの乾きも まずまずなのが決め手となった。厚手の用紙なら裏抜けしにくくて当然である。それ では好みの感触ではなくなってしまう。試し書きでは、インクによっては裏抜けぎり ぎりというケースもあったが、今回はこの薄さにこだわってみることにした。 お次はどんな体裁でつくるかだ。紙はすんなり決まっても、こだわりの強いインク研 究会の面々である。便箋にしよう、原稿用紙も欲しい。サイズはA5だ、いやB5でしょ う、どうせ作るなら変形もおもしろいんじゃない? 罫線は自己主張が強すぎてはダ メ、色はああだこうだ。太さは極細だ、点線もいい、いや手書き風の線だ。間隔は極 太のペン先用にたっぷりと…。もうこれがひとつの形にまとまるのかと思うほど。

で、妥協が成立してできました。(オトナですからネ)
大きさはB5。横書きの便箋で、罫線は目障りにならない銀色の細い直線。間隔は太い ペン先でもゆったり書ける14ミリ。
さらにちょっとしたしかけを盛り込んだ。便箋の下端を上から5本目の罫線に合わせ て折るとぴったり三つ折りでき、しかも折り目は文字にかからないようになっている。 そして用紙の下部に「インク研究会」の文字を入れた。インク研究会謹製の便箋の完 成である。
書き心地を極めた紙に、たっぷりインクの出る極太のフルハルター10周年万年筆で文 字を埋めていく。こんなぜいたくな楽しみ、こんな幸せがあるだろうか。

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使い始めてみると、すぐ気になる点がでてきた。いくつかのインクが裏に抜けるのだ。 ほぼ完璧に裏抜けしなかった最初の社用箋と同じ紙ということで、他の紙のテストに 気をとられ見落としたのかもしれない。印刷屋さんに聞くと、同じメーカーの同じ品 番でも年月とともに設備や製法が変わってくるため、あの20年も昔の紙とまったく同 じものはおそらくないとのことだ。
あの、社用箋の用紙は理想的だったのだが…。 オリジナルの便せんができたという 嬉しさの一方で、呑み込んだものがストンと胃の腑に落ちてくれないような、もやも やしたものが残っている。
この便箋は理想の一品になるはずだった。理想の紙を求める旅は、まだ、終わりを迎 えることができないようだ。

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インク研究会立ち上げの際の紹介文に、森山さんはこう書かれました。「インクは万 年筆あってのモノであり、また紙あってのモノである。万年筆・紙・そしてインクは 不離一体であり、切り離すことなど出来ない。(中略)「インク研究会」と命名はさ れたが、もっと広く万年筆や紙についても語ってくれる筈である。」
この便箋は100%満足できるものにはならなかったものの、インク研究会としての成果 であることは確かです。そしてそれは、万年筆好きインク好きの面々がお互い刺激し あい触発しあうことがなければ、生まれることはなかったでしょう。その活動の場を 提供してくれた森山さんに感謝いたします。

この便せんを興味のある方にも試していただこうと、若干の予備を制作しました。数 は30冊ほどですが、フルハルターに置いていただいていますので、ご希望の方はお求 めください。代金は1冊(50枚綴り)400円です。森山さんの所に置いていただいて はいますが、フルハルターの商品というわけではありませんので,その点はご了解の上お求めください。

>> インク研究会と便箋


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by fullhalter | 2004-11-19 13:50 | インク研究会

去りゆく11冊と手の中にある1本 碧(第10回)

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-私のヘミングウエイ

私は完全なる活字中毒症で1年間に200冊近くの本を買う。そんな私にとって神田神保町という街は特別な街である。人生の半分以上をここで過ごしているのではないか?
そんな街・神田神保町に初めて足を踏み入れたのが小学校6年生の時である。1人で電車に乗ったのも初めての当時,異国に来たような緊張感を味わったのを今でも憶えている。少ないお小遣いを手に握りしめて,初めて買った本がヘミングウェイの『老人と海』。古本で10円だった。カバーも付いていなくて,むき出しの文庫本を大切に握りしめて帰っていった。電車賃より安かった色の退色したヘミングウェイを……。

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セピア色になったその時のことを思い出してみると……。 今ではどこの店だったかまったく憶えていないが,神保町の古本屋街を何軒も何軒も覗いていった。歴史書,哲学書,英文書。そこにいるだけで,大人になったような気分になった。すずらん通り沿いの或る書店では,いかがわしい本が置いてある本屋だと知らずに入って,真っ赤になって出てきた。そんな中,誰もお客さんがいない小さくてカビくさい本屋があった。60歳はとうにこしたような老人が奥の方に座って和綴じ本を読んでいた。いや眠っていたのだ。私は起こさないように岩波文庫の古本の中から横溝正史の角川文庫を探した。当時角川映画『八つ墓村』が大ヒットした頃で,すべての金田一耕助シリーズを揃えるため普通の書店では置いていないマイナーな何冊かを探しに来たのである。しかし,見つからずガッカリして出ようとしたときご主人が突然起きて私を見つめ「そこに座れ。本が好きなのか?」と怖い目で品定めをするように覗いてきた。このご主人,本当は起きていてず~と私を観察していたらしい。また岩波文庫と角川文庫がごちゃごちゃになって置いてあったため,私が岩波文庫の本を探していたと最後まで勘違いしていたらしい。
「どんな本が好きなんだ」
「ハックルベリーフィンの冒険」(ちょうどそこにあったので…)
「そうか冒険ものが好きなのか?」 その老人はその一言からまったく人間が変わってしまったかのように,柔和な笑顔で話し始めた。いろいろな話をしてくれた。今では思い出すこともできないが,アンデルセンから北欧の昔話まで3時間近くも語ってくれた。私も時間を忘れて話しに聞き入ってしまった。昔話を語る老人と孫のように2人は1つの空間を共有した。
そんなご主人が最後に手渡してくれたのがヘミングウェイの『老人と海』の文庫本だった。「これは10円でいいから持って行きなさい。すごく面白いから」と……。 とても横溝正史の文庫本を探していたとは言えないような状況だったので,しかたなくその本を買って,家路を急いだ。これが私とヘミングウェイの第1回目の出会いだった。そう,そしてその時,神保町へ一人で行って帰ってくることが私にとって冒険だったのかもしれない。その象徴となってわたしの記憶の奥底に残ったのがヘミングウェイ。

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それから何度となくこの文庫本を買うこととなる。なぜかこの本は直ぐに私の手元から消えてしまう運命にあるのだ。友達にあげたり,無くしたりして1年と私の本棚にあったためしがない。それでも懲りずに,旅行などに行って時間つぶす必要に迫まられると,買うこととなる。何度読んでも面白く,どんな田舎の小さな書店にも置いてあるからだ。先日真剣になって買った回数を数えてみたらなんと11冊。同じ本でこれほど買い直した本は1冊もない。これも縁なのかも知れない。
そして,神保町に足を踏み入れてから30年近くたった今年の10月23日。また新たな縁が生まれた。インク研究会での集まりのことである。ゼクスフェダーズ・クラブの会員の慶太さんとその弟さん,そして,Sさんを交えて飲んでいた。そこで,ヘミングウェイは私にとって特別なものであると語ったところ,なんと慶太さんがモンブラン作家シリーズのヘミングウェイの万年筆をそっと差し出し。「それではこれを差し上げましょう」と………。頭の中が真っ白になった。万年筆愛好家の垂涎の的,あのヘミングウェイが目の前にある。こんな私にくださるという。なんという心の大きな人なんだろう。

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それを見ていた我が親友であり,兄貴分のKings Blueは,わたしの代わりに,大切にしていたモンブランNo.74を慶太さんに差し出して「それではお礼にこれを差し上げましょう」と言って渡しているのです。私がいただいたのに,私のように喜んでくれたKings Blue。家に帰ってからやっと冷静になり1人になると涙が留めようもなく流れてきた。

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一度も手元に残らなかった11冊の文庫本『ヘミングウェイ』。今まさに私の手の中にある1本の万年筆“ヘミングウェイ”。またヘミングウェイは私にとって特別な名前になった。
そして,翌日の日曜日,小さな本屋に入った。ふと気が付いて1冊の文庫本を手に取った。そう12冊目のヘミングウェイ。この本はいつまで私の元にいるのだろうか……。

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by fullhalter | 2004-11-12 13:38 | インク研究会

「文房具と私、そして遊び心」(Kings Blue)

 愛車のディラーへと定期点検に行ったときだった。
「顧客へ配るボールペンですが・・・」 馴染みの営業マンが手渡してくれた、多機能のボールペン! なんと!!ライトが付いている。 ライトがメインなのか?ボールペンがメインなのか? タダで貰ったモノだったが、筆記具マニアとしては、とても 楽しいモノで、早速!書き味を・・・・。 細字で中国製のボールペンだった。ボールペンってこんな モノだ。
期待する方が間違っている。そう、ボールペンなど普段使って いないのに、手に取ると書き味を試して、「どーだらこーだら」 思ってしまう自分が情けないときが多いのだ! 中身を分解して、「これは、どの替え芯が合うのか?」 先端が出る口径が合えば、どのメーカーでも合いそう・・・ なにか、ワクワクしてしまう。 そう、そう、筆記具ってワクワクさせる道具なんだ。

子供のころから、文房具店に行くとなぜかワクワクする
それは、今も変わらない。

翌週、フルハルターへ・・・・・
「森山さん、此間、貰ったボールペンだけど!面白いでしょ!」
森山さん曰く「ライトが付いていても、なにに使うの?」
「チョッと今日は忙しいからーーーー」
わたしが「1.6mmのボールペンを貸して」と嘆願すると奥から持ってきてくれ、手渡してくれた。
もう、何か試すのが分かってくれていたみたいだった。
「ウーム口径がばっちり合うね!長さが長いけど」
もうたまらなくうれしい遊び!!

そうです。わたしや森山さんは筆記具が大好物なのです。

値段が高い安いではなく!
筆記具はもっと身近な存在。
いつでもどこでも楽しめる道具。

文房具大好きな皆さん!
大井町で重い扉を開けば、そこは懐かしい思い出やあの、文房具店の匂いがありますよ。
忘れてしまった、子供心を取り戻せますよ。

全てに熱中したあのころに。
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by fullhalter | 2004-11-05 13:21 | インク研究会

秋の夜長はウシシシー(その2)(Kings Blue)

 前回は新しいインクを紹介しましたので、今宵は古いインクを試して見たいと思います。

数年前のある暑い日でした。
このボトルの存在を耳にし、いつか色合いを試したいと思い続け、やっと自分の手元にやって来たのです。
約50年の時を経てドイツから空輸されたインクです。
インクの色合いは時代背景と共に、その時代の流行をも感じさせると思っています。
香水やオーデコロンの香りが、時代を語ると同じ様に!

存在感があるボトル、多分この時代は万年筆に携わる方々の熱き思いが十分に製品へと反映された時代と想像できるのは吝かではありません。

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そうです。万年筆の帝王かつ今でもファンを魅了させ続けているブランドでもあります。

モンブランの本当に良い時代は1950年代から1960年代とわたしは思っています。

全てにおいて!

さて、このインクはわたしが大好きなキングスブルーの表示が無いのに吃驚しています。
英語読みで「パーマネント・ブルー」と箱にスタンプが押してあり確かに、色合いもキングスブルーでは無いと思います

コバルトブルー?嫌々ターコイズブルー?嫌々ブルーには間違いないと思いますが、なんとも淡くやさしい「青」ではないでしょうか?
「ウーム」 「感動」 「満足」 「吃驚」

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そして、一番の疑問が「パーマネント」ということです。
通常は、空気に触れ発色するインクと思っていましたが2週間たっても、書いた文字の色合いが変わらないのです。
また、水に浸けても表面の色は落ちますが、しっかりブルーの色合いが残りました。
今のところフローは良いと思いますが、経過を見て判断をしたいと思っています。

このモンブラン1リッターボトルを提供して頂いた、友人に感謝いたします。

前回と今回は、使用する紙を「LIFE CLIPPER A6」にしており、とても、すべりが良く万年筆に向いている紙と感じました。
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by fullhalter | 2004-10-29 13:15 | インク研究会

8本入りペンケース(マーマレード・イエロー)

今回は、インクの話を離れ、ペンケースのお話です。

万年筆にはまり、4本5本と増えるにつれ、保管ケースが欲しくなります。万年筆メ ーカーが出している10~20本入りの携帯用ケースとか、通販などで買える木製の保存 箱などもありますが、私は捨てられないで取ってあったアウロラ ソーレの化粧箱を 利用して作ってみました。

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箱の中の詰め物を取り出し、販売店と問屋の間を修理品などを入れてやりとりする時 に使う万年筆の通い箱を化粧箱の大きさに合わせてカットしたものを入れ、隙間をフ ェルトの布で埋めて出来上がり。

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10分ほどの作業です。器用な人ならもっと見栄えよく作れるでしょう。通い箱の入手 がネックかもしれませんが、私は森山さんにお願いして分けていただきました。

立てると中で万年筆が踊ってしまうので持ち運びにはクッションになる物を詰め、蓋 が開いてしまわないようにゴムバンドとかで押さえる必要がありますので、実用的に はあくまで室内での保管用です。お遊びで作りましたが、結構気に入って使っています。

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by fullhalter | 2004-10-22 13:04 | インク研究会

秋の夜長はウシシシー(その1)(Kings Blue)

 あれは、昨年だったか?今年だったか?記憶が定かではありませんが・・・・
 ペンショーで紹介されたとの話を森山さんから伺った記憶があります。
 アウロラの細軸を手渡され、
「これのインクはドイツのメーカーが発売したインクで40数種類の色があるようですよ」
このときの色は赤みがかった茶色で、ペリカンのブラウンを薄くしたような色合いでした。
日本で取り扱うようになったら、良いなぁーとその時は思って見ましたが、何時になるか分からないこともあってか?記憶のすみに置いたままとなってしまったのです。
それが、2ヶ月くらい前に数枚のプリントアウトを手渡され「日本で発売するようですよ」との話を伺ったときは、早く色合いを確認したく、胸ワクワクでした。
「ヤンセンの手作りインク」
古くも新しいボトルに入ったインクで一目でボトルの形が気に入ったのです。

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 しかし、何時入荷するのか分からないとのことで、まあ!ゆっくり待とうと気持ちを入れかえたのでしたが・・・・・・・日本橋の丸善が閉店し、丸の内へ移る旨のはがきをもらいいざ!丸の内本店へ
狭いエスカレータを登り、4Fの万年筆売り場へ直行!
そのブースになんとヤンセンのテーマインクが積んであるではありませんか!!
アメリカ製のインクで、かなりガッカリしたこともあり、一本だけ購入することに決め、「ナポレオン ボナパルトのブルーブラック」を買い求めました。
 
 胸ワクワクで家へ帰り、早速ボトルの蓋をあけ、クンクン匂いを嗅ぎ「ウームプラスチック系の香り・・」付けペンで色合いを確認!
オーなんとも古いブルーブラックの色合いではありませんか!
透明感があり、「これなら文字の濃淡が出るぞ」「さて、どの万年筆で試そうか?」これが、非常に難問でした。
以前にヌードラーズのブルーブラックをモンブランNo14へ吸わせたところ約二週間でフローが悪くなり、結果!インクタンクに固まりがこびり付き、分解掃除の手間がかかった経験があるので、古い万年筆には入れられないと思っている矢先での新インクです。
我が親友の碧さんは、これらの新インクを高価な万年筆へガンガン吸わせていますが、小心もののわたしには出来ない・・・・!
「そうだ!ペリカン800へ古いペリカンのブルーブラックが入れてある」
色合いは好きなものの、フローが悪くストレスがあった万年筆へ吸わせることに決まり、毎度の儀式です。
色合いはとても私好みで、約二週間経った現在も、フローが悪くなったことはありません。

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 しかし、耐水性はまったくないので、本来のブルーブラックではなく、ブルーブラックの色という感じですね。
これからの経過を見て、良否の判断をしたいと思います。
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by fullhalter | 2004-10-15 12:49 | インク研究会

ヤンセン・ハンドメイド・インク (碧)

 最近はインクのブレンドをほとんどしていない。する必要がなくなりつつあるのかもしれない。なぜか? インク研究会のホームページをご覧になっている方々はご存じだと思うが,このところ“プライベート・リザーブ”“ヌードラーズ”などというたくさんのカラーを持った新たなインクが出てきているため,いろいろな色が使えるようになったのも1つの理由だ。インクのブレンドはとても危険で勇気と決断力がいる。これだけのカラーバラエティがあるのにわざわざ危険を冒してブレンドをすることもなかろう。

 さてそこで,またまた新たなインクをご紹介しょう。今回のインクはドイツ生まれだ。名前を「ドクター・ヤンセンのハンドメイド・インク」という。前々から森山さんの所に情報が入っていて,待ちに待った現物を手に入れたのでここでご紹介したい。
 私が手に入れたのは偉人の名前がインク名になっているテーマ・インクというシリーズのうちの5色である。


Karl Marx(カール・マルクス):ドイツの哲学者であり,経済学者であり,革命家。革命運動の傍ら経済学の研究を進めた『資本論』はあまりにも有名だ。『共産党宣言』を起草した彼の色はもちろん赤だ。しかし,私はゆるせない。このインクは正確には赤ではない。どちらかというとピンクなのだ。はっきり言って“ピンクっぽい赤”,女子高校生が喜びそうな色なのだ。墓場の下からマルクスが出てきて抗議をしそうな可愛さだ。資本論的(?)にもっと厳格な人を寄せ付けないような血のような“金赤”が私の想像していたマルクスの赤なのに!レーニンもきっと涙を流して悔しがっているに違いない。う~ん,でも確かに可愛い色だ。うちの姪っ子に取られないように隠しておかないと……。
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Napoleon Bonapart (ナポレオン・ボナパルト) :皇帝に相応しい色は何か? やはりモンブランのキングズ・ブルーのような渋~いブルー? それともシェファーのキングズ・ゴールドのような黄金色か? と思って開けてみるとなんともしぶ~い空色だ。ペリカンの1950年代のキングズ・ブルーを薄くしてブルーブラックに近づけたようなくすんだ空色だ。ブルーブラックと言っても良い色合いだ。万年筆による濃淡が出て実にマンダムだ。
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Friedrich Schiller(フリードリッヒ・シラー)
:ゲーテと並称されたドイツの古典主義劇作家・詩人。モンブランの作家シリーズの万年筆を思い出してしまう。あのイメージからすると赤茶色か? と開けてみるとグレーだ。セーラーのインクにあるグレーが一番近いかもしれない。ただよ~く見るとグリーンがかっているグレーにも見える。とにかく渋いくすんだグレーだ。
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Charles Dickens(チャールズ・ディケンズ)
:あまりにも有名なイギリスの国民的作家。日本では『クリスマス・キャロル』『二都物語』を知らない人はいないだろう。わたしは個人的には『ディヴィット・コパフィールド』が好きだが……。上記シラー同様モンブランの作家シリーズの万年筆にもなっているが,その万年筆の同軸の色とほぼ同じブリティッシュ・グリーンである。モンブラン作家シリーズのディケンズの万年筆を手に取ったことのある人はおわかりだと思うが,ブリティッシュ・グリーンと言っても,ほとんどグレーに見える。このインクも太陽の光の元でよ~く見るとグリーンなのだが,照明や紙によってはまったくグリーンに見えなくなる。
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Johann Wolfgang von Goethe(ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ)
:ドイツの詩人,小説家,劇作家。『若きウェルテルの悩み』など,もはや説明の必要はなかろう。『碧ちゃんの悩み』は部屋がインク瓶だらけで掃除が非常にしづらいことだ--閑話休題--。さて,インクの色は私の悩みと関係なくモスグリーンだ。上記ディケンズを少し濃くして,少しはっきりさせたようなモスグリーンだ。碧ちゃんの悩みを吹き飛ばすような,すんばらしいモスグリーンなのだ。また,私のブレンドした“お茶葉グリーン”とも似ている。お茶葉グリーンを薄くするとこんな色になるのではないかというような色合いだ。今回の5本の中では碧ちゃん一押しのインクである。グレイト!!
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 さて,それでは実際の色を以下の色見本で見ていただきたい。全体的に“プライベート・リザーブ”や“ヌードラーズ”と違って色合いが薄く,くすんでいる印象だ。文字を書くと濃淡が出て味わいがある。国民性の違いか,アメリカのインクのようにそれぞれがはっきりとした色彩ではなく,落ち着いた深みがあるように思う。好き嫌いがはっきりと出そうだ。  この5色だけで耐水テストをしてみた結果が以下の如くです。全体的に水に流れます。それでもこの5色の中ではゲーテが一番水に強く,逆にマルクスはほとんど水に流れてしまいました(名前のイメージからするとマルクスが一番強そうな感じがしたのに予想とまったく逆でした。しかし悲しいかな,共和主義は消えていくのね!)。
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 使用してまだ1週間だが,いくつかの使用感をご報告しよう(以下はすべてディケンズを使用しての結果です)。  まずは,紙によってインクの乾きは異なるが,私の使用している紙では結構早くインクが乾いている。最近になってヌードラーズは乾きの遅さが欠点だと思っていたので,この早さは心地よい。あくまでも私の使用している万年筆と用紙においての結果なので結論は出せないが,碧ちゃんは満足である。  そして,インクフローの方はけっこう言い感じだ。万年筆にインクを入れて,1週間まったく触らないで放置しておき,突然書いても,スルスルとインクが出てきた。セーラーのクロスポイントに入れるとインクの泉のようになり,まさしくFountain Penになる。またその万年筆を水で洗浄してみたが,きれいにインクが流れ落ちてくれた。まだまだ,使い始めたばかりなので,何かわかりましたらまたご報告いたしましょう。  

 さて,このインクはドイツではまだまだたくさんの色の種類があるらしい。 今回日本の代理店を通して入荷予定のものはシリーズごとに名前がついていて,「テーマ・インク」が11色,「スタンダード・インク」が25色,「ロイヤル・インク」が5色となっている。  今のところすぐに手にとって買うことのできるのは,東京駅丸の内側出口からすぐのオアゾ内の新しい丸善の4階万年筆売り場で,11種類のテーマインクが置いてある。また,神戸ナガサワ文具センターでもいくつか取り扱うようだ。しかし1680円と割高の値段がこのインクの最大の欠点だろう。
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by fullhalter | 2004-10-08 12:28 | インク研究会

Noodler’s Ink 使用報告 紅鮭 in Kings Blue's Room

 インク研究会の皆さま、こんにちは。ヌードラーズインクを実際に紙につけた色合いの報告をします。
私の手元にあるヌードラーズインクは、Red, Tiannanmen, Antietam, Shah’sRose, Violet, Saguaro Wine, Habanero, Midnight Blue, Ottoman Azureの9色ありました。
そこで、便宜上、赤系(Red, Tiannanmen, Antietam, Shah’s Rose)、紫系(Violet, Saguaro Wine)、青系Midnight Blue, Ottoman Azure)、黄色(オレンジ)系(Habanero ※この色に関しては、どこの分類にも入らないと判断し、別扱いにしました。)とに分類して比較的近い色同士で、相対的に眺めてみることにしました。

1. 赤系統

Red(赤):ずいぶん深い感じがする赤です。プライベートリザーブのフィエスタ・レッドに近いものがあります。「紅色」という感じです。
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Tiannanmen:「天安門」の意味。ラベルには、戦車の列が道路を行進しているという物騒な光景が描かれています。1989年の「天安門事件」のアメリカ人に与えた衝撃がいかに大きかったのかうかがうことができます。色は、赤と比べると多少くすんだ色合いになります。おそらく、「血の赤」という意味を込めて命名されたものと思われます。
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Antietam:いわゆる「鉄錆色」です。アメリカ人は「アンティータム」と聞くと南北戦争の古戦場をイメージするようです。南北戦争時、序盤戦はリー将軍率いる南軍が押し気味でしたが、1862年の「アンティータムの戦い」において、戦局は逆転し、リー将軍は後退を余儀なくされました。これをきっかけにこの年の9月にリンカーン大統領が「奴隷解放宣言」を発表します。日本でしたら、「天下分け目の関が原」というところなのでしょう。「アンティータム」が鉄錆色をしているのは、ここで流された兵士たちの血、あるいは、戦場に打ち捨てられ錆び付いたライフル、大砲などの銃器類などの鉄錆色からの連想かもしれません。
※ したがって、TiannanmenとAntietamとは対比させて見てみるとよいかもしれません。前者は、民主化運動のために最近流された血の色を表現し、後者は、奴隷解放のために流された血の色を表現しているのでしょう。
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Shah’s Rose:イラン系の王は「シャー」と呼びます。王の宮殿に栽培されていた薔薇の色からの連想かと解していましたが、当時の後宮では女性たちが薔薇から抽出したオイルを肌に塗ったり香りを楽しむなどして使っていたということからイメージした色であるようです。マーマレードイエローさんのお手元にある、Ottoman Roseの色と対比させてみると面白いかもしれません。インクの色は赤紫がかった濃いピンク色という感じですが、上品なピンクです。
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2. 紫系統

Violet:紫ですが、私から見ると、ずいぶん青っぽいなという感じがします
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Saguaro Wine:サ(セ)グワーローとは背が高く、枝を水平につけるサボテンの一種。弁慶柱とも呼びます。ラベルにもサボテンが描かれています。白色の花をつけ、果実は食用とします。この果実からこのインクの色のようなワインができるようです。(ちなみにcactus wineというサボテンから作ったワインは、明るい赤色で、elderberry(ニワトコ)の実のような紫がかった色だそうです。)このインクの色は、Violetと比べるとだいぶ赤みがかっていますが、日本人の感覚から言うとこちらの方が「紫らしい」と感じるかもしれません。朝顔に多い赤味がかった上品で落ち着いた紫色です。
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3. 青系統

Midnight Blue:「真夜中の青」という意味。かなり深い青色です。「紺色」と言っても良いかもしれません。
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Ottoman Azure:オットマンとは、オスマン・トルコを指します。アズールは澄み渡った空(蒼穹)の色を意味します。したがって、地中海沿岸のイスタンブールの空はきっとこんな感じなのでしょう。博識のTさんによると、「Ottoman Azure」という色は、アメリカ人にとってはラピスラズリ(瑠璃色/群青色)のイメージなのだそうです。実は、ラピスラズリ(lapislazuli)という語は、lapisがラテン語で「石」の意味。lazuliはペルシャ語(Lazward)に由来しており、意味は青色という意味で、要するにラピスラズリで「青い石」という意味になります。ちなみに、Lazwardという語は、スペイン語・ポルトガル語のazul、イタリア語のazzurro、英語のazure、フランスとのazurの語源となりました。このイスタンブールにラピスラズリを用いたタイルを使い、青く見えるので、「ブルーモスク」と呼ばれるスルタン・アフメド・ジャミイ(1616年、宗教的政治的最高指導者であるスルタンのアフメド一世により建造。)があります。このインクのラベルはこの「ブルーモスク」を描いたものです。またラピスラズリは、紀元前3000年前のシュメール文明や古代エジプト文明の時代から霊力がある石と考えられていたため、人々はお守りとして身につけていました。特に女性たちはとってはアクセサリーとして愛用されていました。当然、オスマントルコ時代の後宮の女性たちもラピスラズリの装飾品を付けていたものと思われます。
このインクの色は、Midnight Blueと比べると淡く感じますが、実際紙に書いてみると、なかなか味のある深い色合いで、なかなか良い色だと思います。
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4. 黄色(オレンジ)系統

Habanero:基本的には「ハバナの住人」という意味です。インクの色は赤みがかった黄色(オレンジ色?)という感じです。アメリカには、Habanero Pepper(最も辛いハバネロ系統のものは、58万スコビル。普通のペッパーソーズは10万スコビル)という世界一辛い(と言われる)唐辛子があります。この色からイメージしたもののようです。(ちなみにハバネロ・ペッパーの実の色は赤いのですが。)そうすると、アメリカ人の激辛イメージは、赤味がかった黄色(オレンジ色)で、日本人の激辛のイメージが真っ赤であるのとはズレがありますね。最近、日本でも激辛お菓子やカレーに「ハバネロ」という名前のものがありますが、どれも赤いパッケージだったので、こちらは日本人の激辛のイメージに合わせているようです。
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●一つ気になること!
以前、ヘラ状のもので、紙に赤系統(Red, Tiannanmen)とHabaneroを付けてみたのですが、ある一定時間が経過したあと、その滲みの部分のみが、黄色っぽく変色していました。滲んだ部分の成分が変質してこのように発色したのでしょうか。碧さんがおっしゃるように黄色の色素が化学的に分離してしまうのかもしれません。

● まとめ
☆使用したヌードラーズインクの感想:赤系統や青系統に関しては、なかなか魅力的な色が揃っていると思います。いままでパイロットやセイラーの「赤」を試験の採点をするときに使っていましたが、色合いが明るすぎるのが不満でした。
ヌードラーズの赤系統(Red, Tiannanmen)の色は深い赤色で気に入っています。同じ赤系統のShah’s Roseの色は、華やかな感じがするのでラブレター向きかもしれません(笑)。紫系統のSaguaro Wineは、落ち着いた感じの朝顔のような「赤紫色」で残暑の今の季節、手紙を書くときに良いかもしれません。私個人が最も印象に残り「普段も使えるな」と感じたのは、ヌードラーズの青系統でした。Midnight Blue, Ottoman Azureの両方とも味わい深い良い色だと感じました。両者とも、(今のところは)時間が経っても色が変色することはなく実用にできると思います。サンプルは、フルハルターに置いていただいていますので、ご覧ください。

● 最後に!
この貴重なインクをくださった森山さん、この報告書の構成などを見てくださったキングスブルーさん、インクの命名の背景について重要なアドバイスをしてくださったTさん、そしてインク研究会の皆さまにお礼申し上げます。
以上、Noodler’s Inkの使用報告でした。
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by fullhalter | 2004-09-17 11:28 | インク研究会