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フルハルター*心温まるモノ

フルハルターの現況(1)

 店を訪ねてくださったお客様は例外なく“小さな店”と思われるらしい。
確かに小さな、小さな万年筆専門店である。
じっくり、ゆっくりお話しさせていただき、使われる方のライティングスタイルを拝見させていただき、研ぎ出しのイメージを湧かせる為には大きな店では実現出来ない。自分の思いを具体化出来るのは今のようでなければならない。
従って、私にとっては、小さな店でなければならない必然性があるのである。

 ひとりひとりのお客様とじっくり、ゆっくりお話させていただいて始めてどんなバランスの万年筆が合うのか、どんな太さのペン先がよいのかが判り、また研ぎ出しのイメージが湧いてくる。今の時代では“絶滅したような店”ではないのだろうか。
その結果、2時間、3時間、あるいは5~6時間居られる方も珍しくない。珍しくないというよりも、2~3時間が普通かもしれない。
最近は店での調整作業が殆ど出来ないし、見込んではいけないと思っている。
火曜・水曜の休業日に自宅で研ぎ出した後、最終調整までしている為に仕上げまでには1~2ヶ月かかってしまっている。今の時代全てが急がれているような気がする。今の時代には合わない店かもしれない。でも、私にはこのやり方しか出来ないのだ。

 もともと、万年筆という道具はじっくり、ゆっくり書いてみて、その万年筆が合うのかが判る道具である。
1ヶ月、3ヶ月、半年使ううちに持つ位置や筆圧が変化する道具であることを思うと、今のやり方、あり方が最も合っていると、私は確信している。

 今までも、今も、そして将来も“こんなフルハルター”である。
こんなフルハルターにご賛同いただける方にいらしていただきたいと、願っている。
“いい出逢い”をお客様も願っているのではないだろうか。

 来週は、お客様に誤解されているのではないかと思っていることを書いてみます。

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by fullhalter | 2005-03-11 08:26 | その他