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フルハルター*心温まるモノ

(3)~ ペン先画像

 今日10月30日でフルハルターは10歳。10年前の今日、私の長男の12回目の誕生日だった。まだ小学6年生だった彼が、今日で22歳。小学6年生の長男…何だかずっと昔だったような気がするが、10年経ったら決断するぞと始めたフルハルターがその10年過ぎた今日開店したのは、つい昨日のようだ。時の流れとは不思議なものだ。

 さて、お待たせしていた10周年記念のペン先の総数量の一部が出来上がったので、やっとペン先のついた万年筆(??)ペン先の付いていない万年筆などないのだが、25日には付けるペン先が間に合わず、本体しかお見せ出来なかったので、本日始めて「万年筆」としてご覧いただける。

(3)~ ペン先画像_e0200879_1013064.jpg


 まずはペン先のみの画像からご覧いただきたい。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10122657.jpg


 真中が製造されたままの状態で、曲げ加工に切り割りされたペン先。右は私が磨きをかけ、左は曲げ加工されたペン先の左右を少し起こした状態で磨きあげたペン先。曲げ加工を起こすことにより上から見た時のペン先の存在感が増し、腰が軟らかくなる。

 これも使う人の好みなのだが、こんな調整もこの万年筆では可能になることが私にとっては、もの凄く嬉しいことである。素材で手に入れたペン先にのみ許される調整方法で、好きな人達は「エラ張り」などと呼んで好んでくれている。この加工部分の画像にもう少しお付き合いいただきたい。「エラ張り」が画像からお判りいただけたと思う。この際しつこく見ていただこう。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10143669.jpg


(3)~ ペン先画像_e0200879_1015524.jpg


 首軸につけた状態の画像で、上からの比較と前からの比較である。次にモンブランNO.149とペリカン1000の間に挟まれた比較画像もご覧いただきたい。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10154985.jpg


 左モンブランNO.149 右ペリカンM1000に挟まれた10周年ペン先。「エラ張り」の方が存在感があると思うのだが、皆様にご同意していただけるだろうか。「エラ張り」の方の画像にはモンブラン・ペリカンのペン芯が写りこんだ為に判りにくいかもしれない。他の比較画像から推測して欲しい。

 これで10周年記念モデルの万年筆・木製ケース・プレートの全てをお見せすることが出来た。最後に、これまで申し上げていなかった木製ペンケースの布袋をお見せしたい。これも手造りである。画像をご覧ください。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10163942.jpg


 布は大正末期から昭和の始めにかけて造られた藍染め木綿古布を使用している。飾りに付けられた布も同時代の更紗である。花梨こぶケースをこの布袋に入れて、いつも連れて歩いていただければ本当に嬉しい。皆様にお渡しする時は、下の画像の鎌倉彫りの飾りを付け、マジックテープで開閉する方式にしようかと、造り手と相談しているところだ。鎌倉彫と半々位になるかもしれない。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10171945.jpg


(3)~ ペン先画像_e0200879_1017496.jpg


価格:  21万円 (税1万円)

(3)~ ペン先画像_e0200879_10204081.gif


 10周年のペン先がどの程度の太さまで可能か、実際に筆記したもので比較していただきたく、書いたものです。一番上は、私の好きなナミキの蒔絵SeahorseのM、真中はペリカンM800 3Bの森山モデル、下はペン先を最大に太く研ぎ出した10周年の万年筆で、それぞれ書いたものである。ご参考までに。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10194324.jpg


 10周年モデルのペン先は例外(フルハルターオリジナルチタン万年筆)を除いて始めて「ドデカイ玉」からの研ぎ出しが出来る(最初で最後かもしれない)万年筆である。メーカーで造られたB・BB・3Bからの研ぎ出しではなく、原材料からの研ぎ出しをどれだけ願っていたことか。それが叶ったのである。更にペン先の形状を変えたり、厚みを変え、腰の軟らかさも自由に選択出来る。50人の方々のご要望にこんなに応えられるペン先はこれまで存在しなかった。

 既に予約をいただいていますが、是非使われる方のご希望・ご要望にお応えしたい、かなりいろいろと出来るペン先なので、何なりとご要求くださることを願っています。数に限りがある万年筆ですので、お気に召した方はご来店いただき実際に手に取ってご覧になってください。電話、メールでもご予約承ります。 * ゼクス・フェダークラブ
 かねてより羽根で書いたような羽根で触れたような書き心地も求める方々のクラブでも作れたらと思っていた。何かそれに相応しい名称があればと一人楽しんでいた。フルハルターはドイツ語だし、何かドイツ語でないだろうか。

 確か、羽根はフェーダー。一枚 二枚 三枚……(アインツ ツバイ ドライ……)
よし、これだ。6枚 ― ゼクス・フェダークラブ ― 決まり。

(3)~ ペン先画像_e0200879_10214129.jpg


 このカードを作ってから2年くらい経ったのではないだろうか。今回の10周年記念モデルをご購入いただく方に強制的にお渡ししよう。やっと日の目を見るぞ……との思いでご購入の皆様には“ゼクス・フェダークラブ”の会員になっていただきたく、お願い申し上げます。何の決まりも、活動計画も現在はありません。会員の皆様と共に、活動計画も急がず、ゆっくりと考えて参りたいと考えています。ご賛同くださいますか。万年筆ライフを共に歩みましょう。
by fullhalter | 2003-10-30 10:10 | フルハルター10周年記念