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フルハルター*心温まるモノ

第十八話 2002年を振り返って 

  早いもので、本日12月28日が2002年のフルハルター最終営業となってしまいました。
  皆様にとってどんな年でしたでしょうか。今年もまたこのホームページを介して、新しい方達との多くの『出会い』をいただくことが出来ました。

  お問い合わせが寄せられる中で一番多いのは、やはり、どのような万年筆を選べばよいかということについてで、このことが多くの方にとって最も興味あり、また悩ましい事柄であることが拝察されます。フルハルターではお客様とお会いしてご要望や持ち方などを確認しながら、万年筆やペン先の太さをお決め頂いておりますが、<初めて万年筆を使われる方/各種国家試験を受けられる方/久し振りに万年筆を使われる方/今までに多くの万年筆を使われている方>と、それぞれの立場によって、選ばれるパターンがありました。

   ・初めての方達の多くは、小さめのボディに細めのペン先を選ばれます。

   ・国家試験を受ける方は、早書きに慣れる為に小さめのボディに、腰の硬い、強い筆圧に耐えられる中字程度の太さのペン先。

   ・久し振りに使われる方のご相談は、多岐に渡ることが多く、ボディの太さ・長さ・重さによるバランスをご自身で確認されます。持ち位置によってその良さが全く違ってしまうことを実感されています。ペン先の太さも、太くなればなる程滑らかな書き味になることを実感され、人によっては大いに悩まれ、楽しくも苦しい時を過ごされています。この方達の中には、“万年筆ウイルス”に感染する可能性の高い方がおられ、“危うさ”さえ感じます。

   ・これまでにも多くの万年筆を持ち、数多くの万年筆を使っておられる方達は、『森山モデル』と呼ばれているB・BB・3Bの極太、超極太を選ばれる方が多くおられます。「これが『森山モデル』ですか。聞いてはいたけど、これは書いてみないと判らないね。」とおっしゃってくださいます。かなり万年筆の後ろを持って使われる方が多い為に、ペリカンM800/M1000のスターリングシルバーのような重い万年筆に、超極太のペン先を楽しく使っていただける方が多いですね。

  今年は渋谷で、使い手に合わせて手縫いで造っておられる革職人さんとの出会いもありました。お話ししてみると、職人という意味での共通点も多く、生き方までも共感させられ“一生のつきあい”をしたいと思える方でした。

  またある時、訪ねて来られた方たちは、ご自分の持っておられる万年筆の話をされているのですが、何か目的が違うのではと感じました。やはり、ある素材が万年筆の軸にならないかという相談が、主な目的でした。まだ形にはなっていないのですが、万年筆業界の仲間が増えてくれるのかと、楽しみです。

  私にとってはこんな2002年でしたが、皆様のお陰で『決断の10年目』に無事突入することが出来ました。皆様と、2002年に心から感謝申し上げます。どうぞ、良いお年をお迎えください。
                                 2002年12月28日 
by fullhalter | 2002-12-28 16:38 | 私と万年筆